嫌な予感
私は意識を取り戻した。
「ここは……」
「目が覚めたわね? アメイズさん」
私はギルティナの腕をつかみ、外へと引っ張った。
「あ、え? ちょっと!?」
「あんた、ギルフォードの生まれ変わりじゃないの?」
「は、はぁ? 何を言ってるの?」
「違う? でも、あの技、あの剣筋は完全に師匠だった……」
ギルティナは私のほうを向いたまま、何も言わかった。
■
なんでバレた? 確かに弟子の成長を見たいと思ってしまったし、そして一空千断を見せてしまったのもある。
でも、それだけでその結論に至るのね。でも、本当のことを言うのはまだ先。
今は何にもとらわれず、自由に生きるのよ。
「生まれ変わり? 何のことなの?」
「……何でもないわ。今の事は忘れて」
「は、はい」
危なかった……。
「それで、なんで王都に来たのですか?」
「え、えーとね、嫌な予感がするの」
私たちは真剣な顔になった。
「と、言うと?」
「詳しくは言えないし、私もよくはわからない」
「ただ、嫌な予感がするの。だからしばらく泊めさせていただくの」
「そうですか。わかりましたわ」
嫌な予感というのは、アリストの事なのかもしれないわね。アリスト、最近おかしいし……。
そう考えながら、家へ戻っていく。
自室へ入った後もしばらく考えていた。
「フィオナに敵対する意味あるのかしら? 神の元へ返す?」
気になったことを紙にまとめていく。
思考が追い付かなくなった時、これを見て整理できるようにするために。
「かなり複雑になってきたわね」
学園に入ってすぐに前世の母国に行って戦争やらなんやらで……学園に戻ってきたらまた戦争。そして私は婚約して、フィオナは敵対されて……。
「あー嫌になるわ」
頭を掻きむしりながらペンを動かした。
事が複雑になっていく前に対処するべきだったのかもしれない。気づけていれば、何かしら変わっていたのかも。
こんなんじゃ、自由に旅も、剣技をもっと極める事すらできないわ。
机に叩く。いろいろまとめていくうちに、イライラがたまっていく。特にアリストに対しての怒りが。
「あームカつくわ!! 大体なんであんな奴と結婚なのよ!?」
机をたたきまくる。机がバキバキ、と音を立てて凹む。
そんなこと気にせず、叩き続ける。
「うわッ!?」
やがて机が真っ二つに折れて、ギルティナは勢いで壁に頭をぶつけた。
「アリストのクソ野郎ッ!!」
そう嘆きながら頭を押さえたギルティナだった。
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