師匠と重なる
こ、こいつ……アメイズだわ。何も変わっていない。まさか、不老不死だと?
「お久しぶりです。アメイズさん」
「ええ、お久しぶり。ずいぶん大きくなったわね……色々と」
「ありがとうございます」
「確か、ギルティナの天職って、剣士よね」
「はい、そうです」
「じゃあ、一度手合わせをしましょう」
「へ?」
■
流されるまま、模擬戦となった。審判はいない。観客もいない。
どちらかが倒れるまでの勝負だ。私が昔、アメイズに教えた模擬戦だった。
スタートの合図は先制攻撃だ。
私は、アメイズが先に動く前に動いた。
そして一発を入れた。だが、後ろへ回られる。
私は避ける。数歩後ろへ下がる。前世でもアメイズとはこういう模擬戦を幾度となくやってきた。もう動きはわかる。
アメイズの癖はとにかく敵の後ろを取ることにこだわっているところ。後ろさえ取られなければまず負けることはない。
瞬時に距離を取る。
「読まれたわ……」
やっぱりその癖は直っていなかったわね。
まあそろそろ―――
「おッ!?」
油断したわ。まさか真正面から突っ込んでくるとはね……。
アメイズの背中を蹴り飛ばした。
剣と剣がぶつかる音がしながら、徐々に距離を詰めていった。
そろそろ終わりにしたいところだ。
■
ギルティナの剣筋が、師匠に似ている。いいえ、完全に一致している。
なぜ、ここまでの再現ができているの……。
私の攻撃も見抜かれているし……。
「よくやるわねッ!!」
その時、ギルティナの気配が消えた。
「!?」
気配が消えたと思ったら、同じ気配が二つ、三つと増えていく。
空中にも、その気配があった。
そして、ギルティナに背中を取られた。瞬時にそちらへ顔を向けた。
そこにいたのはギルティナとそれに重なり、師匠の姿が見えた。
「アメイズさん。食いしばってください」
「一空千断」
「ししょ―――」
私の視界は真っ暗になった。
■
「やり過ぎちゃったわね。最後に何か言っていた気がしたけど、まあいいや」
元弟子との模擬戦はいつやっても楽しいと思う。老いは怖いが、体の動く限りはできると信じる。
私は実家のリビングでお茶を啜る。
「ギルティナ? いい加減屋敷に戻りなさい」
「いやだわ。フィオナを怖がらせる人のところには戻りたくないわ」
「はあ、その気持ちはわかるけど……」
「なら、しばらくはここに」
「わかった、わかったから。しばらくはいいわよ。それと、アメイズちゃんもしばらくはここに置きましょう」
「わかったわ」
何するかわからないしね、あとここに来た理由も聞きたいわけだし。
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