久しぶりの顔
ローゼンブルク王国王都から離れた場所にある、大貴族―――ヴィヴァーロ家の現当主のアメイズ・ヴィヴァ―ロは王都の方角を見ながらお茶を啜っていた。
アメイズ・ヴィヴァ―ロは、ギルフォードの弟子である。いくつもの人体の構造変更によって、不老不死に近い存在になっていた。
「何かが起き始めているわ。これはかなりの人々を巻き込む事になる……」
アメイズは机に置かれていた手紙を開けた。
「ギルティナ・エリスフォードと第二王子が結婚、ですって?」
近くにいた執事に尋ねた。
「はい。事実です」
「エリスフォード家が王家とくっつくなんて」
「ですが、その結婚は約束されていたらしく」
その話は貴族はほぼ知っているが、まさか本当に結婚するとは思ってもいなかった。
それにしてもおかしい。いくら名門貴族だとして、自国の貴族と結婚はありえない。親が仲がいいとは思えないしねぇ……。
直接見に行くしかない。そうね。
アメイズの千年以上生きた勘がそう言っていた。
「すぐに馬車の手配をお願い」
「承知いたしました」
■
「君は直ちに帰れ」
「……第二王子殿下、なぜそんなことを」
「貴様に答える事はない」
「アリスト! 何やってるのよ!!」
「ギルティナ、構うな。こいつは悪だ」
フィオナに剣を抜く。
「殺す気!?」
「ああ、こいつは生かしておいてはいけないんだ」
「そこまでする意味あるの!?」
「チッ。今日は良い。中に入れ」
「お、お邪魔します」
フィオナはビビっていた。確かにね、急に敵視されてもよくわからないものね。
■
「あんたの夫は怖いわね」
「いつもなら普通だわ。フィオナにだけ当たりが強いのよ」
「まあ、何か私がしたのかもしれないわ……」
「そ、そう……。まあ気をつけといたほうがいいわ」
そう、最近様子がおかしい時がある。だから私も気を張っている。
「わかった」
フィオナはそう言って家を出た。
顔色は優れていないように見えたが、足取りはしっかりしているために返した。
「アリスト来て」
私の口調は厳しいものだった。
「なんだい。ギルティナ」
「なんであんな態度取ったわけ? 私の幼馴染って知っての事よね」
「……あいつは生かしては置けない。神に返さなければならない存在だ」
「そんな事を信じて良い訳ないわ」
「だが、神が僕夢に出てきて―――」
「それでも、よ。人を殺すなんてしてはいけない。この一件で私は離婚を検討するわ」
そういって私はアリストに背を向けた。そして家から出た。
■
アメイズは王都に入っていた。
「久しぶりの王都。ずいぶんと雰囲気が違う」
馬車を見つけ、エリスフォード家の屋敷まで乗せてもらうことにした。
「お嬢ちゃん、一人で来たのかい?」
「そんなに子供に見えるか?」
「ああ、子供じゃないのかい?」
「いや、何でもない」
しばらくして、エリスフォード家の屋敷の前に着いた。
「ここは何も変わってないわね。ギルティナちゃんが生まれた時から何も」
ギルティナが生まれた後は顔を出していなかった。仕事が忙しくて。
エリスフォード家とは仲良くさせてもらってるおかげで大貴族になることもできたし、不老不死に近い存在になるための実験もできた。
「師匠の剣術をさらに進化させるために生きていたというのに……。剣術が蔑まれるようになるなんて……」
エリスフォード家の屋敷の前でしばらくただ立っていた。
右から気配がし、そちらに視線をやる。
そこにいたのはギルティナだった。
「大きくなったわね。ギルティナちゃん」
「―――」
前の話から少し開いてしまいました。
少し話は長くしたのでご勘弁
気に入ったら、積極的にブックマークや、評価を!(☆が並んでいるところ)
評価や、ブックマークをしてくれると、作者の励みにもなりますので、ぜひ!!
(書籍化目標なので、そのためのアドバイスなどもください)
コメントや、リアクションも忘れずに!




