令嬢は出かける
同居生活から二日が経過した。
私は剣の腕を鈍らせないために特訓は欠かしていない。
だが、その間もずっとメイドに見られている気がした。安全のための監視か、それともほかの意味があってなのか……。
どちらでもいいんだけどね。
「ギルティナ。買い物に行こうか」
そういわれた瞬間、メイドが出てきた。
「王子殿下! それはいけません! 買い物なら私たちメイドのお仕事で―――」
「―――いや大丈夫だ」
「で、ですが……」
「しつこいよ」
「し、失礼しました」
は、迫力ある……。元剣聖の私でも鳥肌が立ったわ。
さすがこの国の王族。カッコいいわね。
■
さて、買い物デート? にやってきた私たちだけど。
「ギルティナにはこれが似合うと思うよ」
最初に入ったのは、アクセサリーショップだった。
そして似合うと言われた品は、剣の形をした髪飾りだった。
センスがいいとしか言いようがないわけである。
「いいわね!」
私もすっかり上機嫌になってしまった。
結局それを買った。
「やっぱり似合ってるよ」
「あ、ありがとう!」
■
フィオナは学園の教室から外を見ていた。
「ギルティナは元気にしているかしら」
最近はやたら視線を感じる。私の気のせいかもしれないけどなんか怖い。
ギルティナが同居を始めたらしい。そろそろ私も婚活しなければならないのかしら。
「はあ」
「フィオナ・セレスティア! 真面目に授業を聞け!」
「は、はい。すみません」
最近は視線やら、ギルティナの事で頭が痛い。授業をまともに受けれないわよ。
授業が終了し、廊下を歩いている。
やはり視線が気になる。後ろを向いても誰一人私を見ていないのに、なぜ視線を感じるのかわからない。特に気配が強いのは上。唯一気配が感じないのが正面。
本当に何が起きているの? 疲れてるだけならいいんだけれど。
そう思いながら私は教室へ戻っていった。
■
屋敷に戻て来た私は第一王子と顔を合わせた。
「初めましてか。ギルティナよ」
「は、初めまして。ウインド第一王子殿下……」
「そうかしこまるな。我が弟の妻となる人なんだからな」
「あ、ははは」
いやもう……そうだとしても中々気軽に話せるわけないでしょ!
前世でも、現世でも気軽に話せる王族はいるけれど、初めて話す王族には中々、ね。
「ま、まあそのうち」
「そうか。聞いていた印象とだいぶ違って驚いた。慣れてくれればうれしい」
「はい」
背中に汗が……。私は緊張しすぎていた。
やっぱり圧が違うわね。魔力も相当だし、現世には珍しい位の剣に長けている。
少しでも粗相を働いたら斬られそうで無理だわ。
やっぱり王族はすごいわね……。
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