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最強の剣聖は自由を求め、転生する!〜世界最強の自由人〜  作者: 冬城レイ
第五章「王国と帝国の戦争」

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まだ序の口

 鼻を突く匂い。


「うッ……何よこの匂い……大気汚染にも程があるでしょう……」


 ここは、王国ではないことがすぐ分かった。

 しばらく歩いていると、街が見えてきた。


「やっぱりね。ここは帝国だわ」


 侵入には成功した。帝王を仕留めれば戦争は終わる。


 ■


 街は戦争中だと言うのに賑わっていた。私を見る目は少し怪しいけども……一応潜入ということにしておくわ。


「なあお嬢ちゃん? ここらの人じゃねぇだろ?」

「え、ええ。そうです」

「どこから来た」

「え、いや」


 オートレイス王国の紋章をすぐ隠した。この男……只者ではないということだけが分かった。

 こいつは軍人だ。紋章を見られたら戦う羽目になる。


「なにか隠しただろう」

「い、いえ。なにも」

「手で隠しているところを見せろ」

「ッ……」


 男は、私の手を引っ剥がした。そのせいで紋章が見えてしまった。


「オートレイス王国軍か。なら……殺すしかないな」

「できる……ものなら、ね」


 賑わっていた場所は一瞬にして、戦場と化した。酒を飲んでいたものも皆、剣や杖をこちらへ向けた。


「だから帝国は嫌いなのよ……」


 ■


「テメェッ!! 女だからって容赦しね―――」

「うっさいわね!」


 グランドで頭をぶっ叩く。酒でよっているのか意外と弱い。


 そして、最後の一人になった。


「貴方……やはり只者ではないわね」

「ああ。俺は元帝国陸軍長もとていこくりくぐんちょうだ」

「私は、オートレイス王国壱番隊長だわ」


 そう、私が出陣する少し前……私は王家からの手紙を受け取った。

 それは王国でも珍しい、王直筆の手紙であった。とても丁寧な字で、こう書かれていた。


『ギルティナ・エリスフォード殿。君の精霊国での活躍は耳にしている。そして君はオートレイス王国の機器と聞いて戻ってきてくれた。とても感謝する。そして、我々王族達、そして爵位を持つ貴族たちとの協議の結果、君は、オートレイス王国壱番隊長に任命する。この国を守ってくれることを祈る』


 この手紙は、一見余裕を持った手紙かと見れるがそうではない。とても緊迫した状態で、わざわざ時間を裂いて協議、そして送ってくれた。それがよく分かる。


 ■


 オートレイス王国の王城。夜空を見ていたのは、国王―――コアトル・オートレイス。


「精霊国が来てくれると言っていたが……到着するまでまあ時間がある。オートレイスは軍事的には弱い立場にある……。ギルティナよ……食い止めてくれることを祈っている」

「あなた……大丈夫よ」

「キミーラか。ありがとな。だが、かなり危ない状態であることは変わりない。もし……この国が存続危機になったら……私を置いて、子ども達と逃げてくれ」

「それはできませんッ!!」

「ッ……だが……とても危険だ」

「あなたを置いて逃げることなんか……」

「私からの願いだ」

「―――ッ分かりました。でも、必ず生きて……私たちの元へ戻ってきてください」

「もちろんだ。キミーラ」


 ■


 男が目の前から消えた。さすがは元帝国軍長。歳を重ねたとて速さは落ちていないと。

 だが気配隠蔽の技術は落ちているのか、若手より劣っていた。


「上、ね」


 その瞬間、空斬撃くうざんげきが降り注ぐ。


「ッ―――」


 足に浅い傷ができた。少しだけ血が流れるが、問題はない。


「やってくれたわね。空重撃斬くうじゅうげきざん!!」


 全方向に斬撃を繰り出す、空斬撃の応用技。


「ぐぅッ!!」

「そこね」


 即座に人差し指に魔力を集め、飛ばした。


「うがぁああッ!!」


 男の身体が爆発した。そして血の雨が一瞬降り注いだ。


「まだ序の口……」


 私はゆっくり進んでいく。

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