元教え子
各研究所が爆発した。帝国は、警報音に包まれた。
その時、後ろから声がした。
「また君?」
「あんた。帝国の幹部の」
そこにいたのは、私を一発でボコボコにしたあの幹部だった。
「なんで戦争ばかりするの。しかも関係ない王国まで攻撃してッ!!」
「僕はしらないよ。僕より上の立場の人間の意向。僕等はその駒として動いてる訳であって―――」
私は幹部の話を遮り、切り込んだ。
「君が聞いてきたくせに……」
空中での戦闘が始まった。私は負けた後、努力をした。
前世の完全なる力を戻すのに。前世の力をまだ取り戻せていない私は弱い。だが……今は違う。まだ完全とは言えないが、明らかに変わっている。
私の目は赤くなる。
「リミッター解除」
抑えていた力を発揮し、先程よりも速く……そして正確に。
常にグランドには魔力を与え続ける。
「ッ―――!」
私は容赦なく幹部を斬る。
「あはは……腕が切れちゃった」
「これで貴方は―――」
「まあ、関係ないけど」
ギュルッ、という音がし、腕が生えた。
「!?」
「僕はほぼ……人間じゃないんだ。千年前から研究されていた技術の最高傑作が僕」
千年前……? 当時の技術は今と比べるほどではなかった。どこにそんな技術が……
「キメラ実験。まあ、途中で邪魔されたけど、ね。剣聖によって」
「……!!」
「ねぇ……君、剣聖ギルフォードだよね? 僕、千年位生きてるからわかるんだよねぇ」
私は幹部を睨んだ。
「本気で言っているの?」
「もちろん……本気さ。君の動きを見てれば分かるよ。あれは剣聖だけができる、再現不可能な剣技」
「なんで分かるの」
「元々僕も剣聖の弟子の一人だった。けど、問題起こして破門になった」
―――まさかッ!!
「あんた……クーリア?」
「ふふ……そうだよ。僕はクーリア・ヴァラー」
完全に私の責任だ。私の教え子が悪に染まった。私が死ぬか……私が弟子を殺すか。
「私は、あんたを殺すしかない」
「殺せるものなら、ね」
その瞬間、クーリアの前から姿を消した。
「速い。師匠は相変わらずです」
空気を蹴った。加速に上限はない。
「空中斬撃」
「師匠の技にはいくら頑張っても勝てないよ―――」
■
気づいたら地面に寝そべっていた。星空が見えた。
首を少し横に動かした。そこにはクーリアの頭と離れた胴体があった。
私はしばらく気絶していたのだろう……。
私は力を振り絞って立った。
「ここは……どこ?」
目の前には、王国とは違う景色が広がっていた。
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