戦争の開始
「最悪だわッ!」
私はめちゃくちゃキレていた。王国にも、帝国にも。当たり前だ。戦争があるからって、私達を連れ戻すとか、都合が良すぎる。
「帝国……潰すわ」
「言うと思った。でも、私もそう思ってるわ。私は精霊国が好き。正直……帰りたくなかったわ……。でも帰るしかない……」
「……思っていることは同じって事ね」
「分かった?」
「当たり前でしょ!」
■
「……思ったより深刻ね」
オートレイス王国へ続く道はボロボロだった時点で気づけばよかった。
「建物がボロボロ……」
王都から遠い街はボロボロで、人の気配がなかった。
「帝国の攻撃に対する防御が都市に比べて劣っているわ……」
「……本当に始まってしまうのね」
「帝国……絶対滅ぼすわッ……」
私達は瓦礫を踏みながら王都へ向かった。
■
『国立剣士学園』と書かれた城壁。その奥には教師たちが待っている。数年ぶりにこの地へ戻ってきた。どうせ、開口一番言われることは、戦争への参加要請に関する事だろうか。
私とフィオナは門を開けた。
そこには見慣れている景色があった。何も変わりがない。
「よくぞ戻った」
そこには、シルビア先生の姿もあった。あんなに厳しい筈の教師が、今日はとても優しく見えた。
「すまない。私達がもう少し反対していれば……二人を戦場へ送ることはなかった……」
シルビア先生の謝罪に対して、フィオナが言った。
「いいえ、先生達の責任ではありません。帝国、そしてこの国の政府の問題。必ず勝ちます。なので謝らないでください……」
「ッ……」
その時だった。
『魔導ミサイル接近中』
「本格的に戦争が始まるわ……ね」
「私達はこの国を守る」
私が生まれ育った国とは違うけど、この国にも思い出はある。だから……私は守る。後ろには精霊国もいる。負けはしない。
■
私はミサイルを切り刻んだ。グランドを使って。
もう容赦はしない。ここからは本気で挑む。帝国に乗り込むわ……私はそれだけ怒っている。
「アクセル・エアー」
アクセル・ステップの応用技を使い、空中を移動。帝国への侵入を空中から行う。
まずは一発……各研究所を破壊する。
グランドに魔力を流し……溜める。溜めて、溜めて、溜める。
『100%』
「まだ……」
『130%』
「放て」
グランドの剣先に魔法陣が何重にも出現し、可視化できるほどの魔力を放った。
その瞬間、各地で爆発が起きた。
「私は怒っているわ……」
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