世界最強の剣と共に
防御魔法陣が破壊された。
「戦争の、完全なる開始……」
私の後ろには、およそ五十万人の軍隊。前世の記憶にあった数の比ではない。
さすが、千年だ。
だが、士気は低い。まだ私は来たばかりであり、その実力を知らないものが多い。だが私はここで、活躍すれば、自然と士気は上がる。
「魔力弾頭……発射されたわね」
私は、魔力弾頭の発射を見送った。
明らかに技術は上がっている。それは当たり前だが、技術の進歩はすごいと、改めてわかった。
そして、遠くのほうから爆発する音が聞こえた。
もうすぐ帝国はこちらへと攻めてくるだろう。
「攻撃準備!」
私は大声で指揮を取る。皆は配置につく。出待ち作戦だ。前世でもよくやっていた。
その時、だった。
「壁の破壊確認しました!」
魔力を目に集中させ、遠くを見る。
まず、第一軍隊……その後ろに第二、第三と続く。大体百万人……。数では倍の差で負けている……が、力量は、我等のほうが上。
「戦闘開始ッ! この国を守る!」
私は。帝国軍に突っ込んだ。まさか私と肩を並べるほどの相手の剣を使うとは……。
この大剣 《キングルス》は、私の大剣 《グランド》の次にすごいと言われていた。
『貴様に力を貸そう』
「感謝する」
まだ、若い少女が大剣を扱う姿は、精霊国軍の士気を高めた。
人を殺すのに躊躇がない。
「こいつ、本当に人間かッ!? おかしい……こんな少女に―――」
「オラッ!!」
どんどん殺す。躊躇わない。
「確か、キングルスって、変形できたわよね……私のグランドと同じで」
『やってみよ。貴様が考えたものになると誓おう』
「弓」
一瞬で、変形した。魔力で弓を作り、放つ。弓が人、地面に刺さると、即時爆発を起こす。仲間がいない場所を徹底的に、だ。
ここまでは順調だった。
急に地面が揺れた。それはすぐに収まったのだが、私には嫌な予感がした。
「隊長! 目の前に、帝国幹部が!」
「なんだって!?」
私の口調は、もう違った。
私の幹部を見る目は、前世の頃の鋭く見た人を驚かせる程だった。
「私が対処する」
そういった瞬間には、私は幹部に切り込んでいた。
大剣を剣に戻し、幹部を睨む。
「始めまし―――」
「死ね」
だが、気付いたときには、壁に激突し、血だらけになっていた。
「あ……ぐッ……」
ガラン、と言う音を立てて、大剣は倒れた。
「あれれ? 君弱いね」
「な……にを……」
「その体、戦いに使うのはもったいないよ? 僕が、飼ってあげるよ? 性奴隷としてね。あ、でももう僕は帰らないと」
そう言って、男は去っていった。
去ったあと、私は安心しようとした……が、警報がなった。
「魔力核弾頭接近」
核……だと……?
私は、上を向く。少し、視界がボヤッとしたが、見える。
「止めなきゃ……あの時の……人が苦しむ顔は見たくないッ……!!」
その瞬間私の中から、痛みが消えた。魔力が溢れ出た。
後ろを向くと、私の前世の銅像があった。
「はは……使えってことなのかしら」
私は唱えた。
『世界最強の剣として、我剣聖として戦う道を選ぶ』
その瞬間、大剣グランドが私の手に現れた。
『待っていた。主。魂が同じゆえ、すぐ気づけたのだ』
この剣は知性を持つ。当時、いや現在でも最高の大剣。
「私は、核を消し飛ばす。グランド、一緒に―――」
『核はダルいのだ』
「殺るわよ」
『核斬るのだッ!!』
私は、核を見た。核を斬る事は簡単じゃない……だが、やるしかない。
核を捉えたときには、空中にいた。
魔力は使わない。真の実力だけで終わらす。
三、二、一。
なんの音もなく、核はばらばらになり、中にあった魔力分子すら消し去った。その数秒後、シュトン、と言う音がした。
音を置き去りにし、核を斬る。超人ができるか否かの技をやってのけた。
「まも……れた」
核を斬ったと言う安心感からか、意識が遠くなり、途絶えた。
「ギルティナッ!!」
王城から見ていたフィオナは、空中から落ちるギルティナをキャッチした。
「ギルティナの馬鹿……核を斬るなんて……」
まだ、戦争は始まったばかりだ。すぐには終わらない戦争の地に降りたフィオナも、戦争に参加することを決めた。
「ギルティナにまかせてばかりじゃダメ。私自身の力を見せてあげるわよ……」
ギルティナを支え、安全なところへ避難した。
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