守りたい、この国を
「戦争が、また始まるのね」
「ああ、ギルティナ殿は知っているだろうが、帝国とは仲が悪い。そして、案の定攻撃をしてきた」
「私も戦争に参加します」
私は、剣聖だった頃、いくつもの戦争に出ていた。帝国の考えていることなど予想がつく。
「負傷しようが、責任は取らない」
「それでも良いです」
「そうか……なら、君に渡したいものがある」
この王、私が参加する事を見通していたか。
やはり、私が気に入る王家だ。
■
ここは宝物庫。金貨や、王冠、禁書など、価値があるものすべてを入れている場所。
「こっちだ」
王についていく。たどり着いた場所は、一本の大剣がある場所だった。
「暗黒騎士スレーブが使っていた剣、キングルスだ。君なら扱えるはずだ」
「なぜこれを私に?」
私は、王を疑う目で見た。急に案内されて、私の元敵の剣を使え、だなんて。
「君の実力なら、真の力を出すことができるはずだ。そして、必ずこの国を勝利へ導く鍵となる」
「分かりました。受け取ります」
「ああ」
その時、地面が揺れた。本格的に始まったのだ……戦争が。
「もう、防御魔法陣も保たないだろう」
「我々は、帝国に魔力核弾頭を落とす準備をする」
その言葉を聞いて、私は国王を引き止めた。
「お待ち下さい」
「なんだ」
魔力核弾頭は使わせてはならない。また、人という道を踏み外すだけになる。
こんなに有能な王がいる。民を思う王だと言うのに、そんな事をしたら、ただの犯罪者になる。
「核弾頭はおやめください。核弾頭は、あくまで脅しに使うのがよろしいかと……報復攻撃となれば、魔力弾頭で十分です」
「だが、多くの民が死んだかもしれない」
王はこちらには顔を向けない。ただ、声だけ。
私はその背中をじっと見ている。
「だからといって、ムキになるのは違います。陛下は良い王です。民は核を使うことは望んでいないと思います」
「では、どうすればッ!!」
王は声を荒げた。これは怒りの声ではなく、民を思っての声だ。だから、だからこそ、この王を罪悪感に浸らせてはならない、犯罪者として扱われるのも私は嫌だ。だから……。
「私が、戦争を終わらせます。この精霊国に命を捧げる覚悟で」
「本当に良いのか? 君はこの国出身じゃないだろう……なのになぜ……」
「いいえ、それはわかりませんよ。いつか見た景色と同じだったので」
「それは―――」
「もう時間がないのでしょう? さぁ、魔力弾頭の用意をお願いします」
「ああ……」
そう言って、宝物庫から出た。私は本気で挑む。誰にも負けない剣聖なのだから。
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