ブルーウォーム精霊国とフーリス帝国
朝の日差しが顔にあたり、起きた。
隣で寝ているギルティナを見る。
「相変わらず、寝相が悪いわね……」
私とギルティナは長い付き合いだ。赤子の頃の記憶で、残っているものと言えば……ギルティナが、龍を消滅させたこと。
これは、私とギルティナ本人、二人だけの秘密である。
私はギルティナを寝かせたまま、朝食へ。
いるのは、私が担当の 《シーズ・ブルーウォーム》第四王女と 《レオン・ブルーウォーム》第六王子とご飯を食べる。
どちらも、私の3つ下。私が魔法担当になった理由はやはり魔剣士と言う天職だからだろうけど……。たしかに、魔法は結構使えるけど、魔術師に比べたらやや劣る……結構劣るはずなのだけれど……。
まあ、国王様にも、考えがあるはずだわ。考えなくて良いこと……時間の無駄だわ。
「ご馳走さまでした」
■
「魔力に集中して!」
「はいッ……」
「ッ……」
魔力を見る。青い魔力が、王族の皆から感じ取れる。
この二人は、それを使いこなし、自覚することができないと魔法は教えられない。
「魔力の色は、見えた?」
「「見えません……」」
「そっか。頑張れ」
「「はい」」
厳しくせず、ゆっくりとやっていくのが私。ギルティナみたいに、朝から走らせるのとは違うのよ……多分、ね。
■
あっという間に昼になってしまった。お昼は使用人の方々がお弁当を持ってきてくれるから、楽だ。
「今日のお弁当は……やった! 魔物の串焼き!」
「うえぇ……筋がありそう……」
文句を言っているレオンに一言言う。
「好き嫌いしないの。魔法を早く使える様になるためにわざわざ頼んだのよ」
「はいはい……師匠は、料理のことになるとうるさいんだから」
クソガキぃ……
(落ち着け私……ギルティナとは少し違うところを見せるのよ……ッ)
「我慢して食べなさい」
レオンとシーズはビビリながらも、ひとくち食べた。
「柔らかい……筋じゃなくて、脂身だったんだ……紛らわしかった……」
「そうね……意外と美味しいのです」
ほら言った。最初から文句言わないで食えっての……。
内心そう思いながら、黙って食べる。
その時だった。街の中心部で爆発が起きた。そして、国を囲むように防御魔法陣が展開された。だが、私はそれを見て呟いた。
「あれじゃ、先の爆発には二発程度しか耐えられない……」
警報が国全体に鳴り響く。魔力警報機のお陰で、危険を知らせることができるのだろう。さすが魔法を扱う暦が長い国だ。
「君たち、大丈夫かい」
国王が直々に、様子をうかがいに来てくれた。
「あの攻撃は一体?」
「フーリス帝国の魔力弾頭だ」
「なぜ、そんなものを、この国に落としたのですか?」
「……政治の話になるが、理解できるかい?」
「政治について、少しばかりですが、心得ております」
「では、話そう」
■
元々ブルーウォームとフーリスは仲が悪かった。だが、戦争にはならなかった。どちらも、規約を守っていたからだ。
規約として、フーリスは魔力核弾頭および魔力の悪用を禁止する事に同意していたのにもかかわらず、悪用し始めた。
それに留まらず、ブルーウォーム国外だが、その近くに、弾頭を落としたりを繰り返していた。それに怒った王は、貿易停止をし、仲が更に悪くなった。
そして、それが何年も続き、先程の攻撃に至った。
■
「……ムカつきますね」
「ああ。だが、下手に動く事もできない」
「なぜ……?」
「《聖女》がいるからだ」
「聖女?」
「ああ。聖女は、膨大な力を持つ、神に愛された人物の一人。それが、帝国に生まれてしまった。我々精霊国は、精霊との契約の元、力を貸してもらっている。聖女は精霊王に等しい。その気になれば、聖女は、精霊を従い、奪うことができてしまうだろう」
私は考える。確かに、その力を持つ聖女は厄介だが、あくまでそれは帝国の主張。帝国が嘘をついている可能性も考えられる。
「国王陛下は、その聖女を見たことがお有りなのですか?」
「いや、ない。手紙が送られてきたのだよ」
ますます怪しい。手紙だけじゃ信憑性が薄い。
はぁ……めんどくさい事になりそうね。国王はギルティナにも話すでしょう。
ギルティナは、理解できちゃうわよね。馬鹿に見えて、頭が良いもの……。
「お話頂きありがとうございました」
「いや、これは話さなきゃいけないことだった」
そう言い、ギルティナの元へと向かっていった。
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