青い魔力を持つ王族
夕食を食べる場所はとても大きかった。
豪華な食事が並べられていた。先程聞いた話だが、この一年は見習いとして、王族の血統の誰かに剣技を教える事になった。
まだ、誰に教えるかは言われていないが、それは国王の口から発表されるだろうと言っていた。それはそうとして、今の王家がどれだけ質の良い魔力を受け継いでいるか、それを見なければならない。
千年だ、千年……。千年の間、途絶えなかったのはすごいのだけれど、それより重要なのは、王家が持つあの青い魔力。
そう考えていた時、扉が開いた。
圧がすごい。現国王の圧、それは本物だ。
そして、後ろには、第一王子から、第八王女が入って来た。
「君たちが、学園の生徒か」
私とフィオナは立ち上がり、お辞儀をする。
「ギルティナ・エリスフォードと申します」
「フィオナ・セレスティアです」
「ほう……ローゼンブルク王国の貴族令嬢か。座りなさい、食事をしながら話そうではないか」
■
「さて、本題だが……この一年は見習い期間として、護衛ではなく、我が子供達に剣技、そして魔法を教えていただきたい。学園がどんなものか……それを確かめておきたいのもあるが、将来学園に入る事ができるかの見極めもしたいのだ」
国王の名前―――ローラン・ブルーウォーム。とにかく強者。周りとは格が違う。
「では、発表しよう。ギルティナ・エリスフォード。君は剣技がすごいと聞いている。そのため、第三王子と第五王女の剣技師範を担当してほしい」
「そして、フィオナ・セレスティア。君には、第四王女と第六王子の魔法師範を担当してほしい」
私に第三王子、第五王女の視線が向けられた。それはフィオナも同じ……。
「「承知いたしました。喜んでお受けいたします」」
■
食事を終え、改めて顔合わせの時間。どれだけ、あの青い魔力を受け継いでいるか……。
「さて、名前を聞いていくわ!」
「ハルト・ブルーウォームです」
「ローズ・ブルーウォームですわ」
どちらも、青い魔力の存在を確認できた。あの技を教える条件は揃っている。まあ、まずは基礎から教えなければ意味がないけども。
「よろしくね! 明日から早速特訓よ!」
「「はい!」」
元気がある。この二人ならすぐに上達するでしょう。
■
フィオナと私は同じ部屋。外は真っ暗で、フィオナは疲れているのか、すぐ寝てしまった。
私は、明日のメニューを考えていた。
「明日はやっぱり、ラントレから……でも剣技の基礎から教えちゃいたいけど……筋トレも……あ、全部やらせちゃえばいいや!」
そう考えていた時、ドアがノックされた。
「ギルティナ殿、起きているかね? 起きているならドアを開けてもらいたい」
この声は現国王だ。こんな遅くに何用だろう……。
そう思いながら私はドアを開けた。
「起きていたか……。すまんが、少し話をしたい。場所を移動しようか」
「分かりました。少々お待ちください」
私は夕食の時と違う態度だった。周りを警戒し、目付きが鋭い。
「そんな警戒しなくてもいいさ。格好はそのままでいい。気にすることではない」
「分かりました」
そうして、連れてこられた場所は、王城の書庫。
「座ってくれ」
「ありがとうございます」
ローランは本をいくつか持ってきた。少々ホコリが被っていて、何度も読み返されている跡があった。だが、一つだけ特段読み返された跡がある本もあった。
「ご要件を言ってもらいたいです」
「ああ、そうだね。単刀直入に聞く……。君は、我々王族特有の魔力を感じ取れるね?」
「なぜそれを?」
「なんとなく分かった。というか、君は知っていた。青い魔力を持つ事を」
「はい。知っていました」
ここで嘘をつく意味も見当たらない。嘘がバレたあとの方がめんどくさい。ここで本当のことを言うのが最善。
だがこの男、何を隠している……? 見当がつかない。不思議な男だ……敵か、味方か……。
「なぜ知っている? この書庫にしか載っていないのに」
「流出、したことにしてはいただけませんか?」
今の問に対して私がそう答えた理由は簡単。この男は、私を攻めているわけではない。ただ、疑問に思っているだけと見た。
「ははは! 実に面白い。まあ良い。この件は、書物が不注意で世に出回ったということにしておこう」
「ありがとうございます」
「いや、礼などは不要。面白い考えを持っている君を気に入った。学園に紹介された時、天職が剣士で少し見くびっていたが、その体格にしては相当な力を持っている。頑張ってもらいたい」
「……それと他にも聞きたいことがある。この夜は私の疑問に付き合ってもらおう」
王は笑い、私も笑った。
この夜はまだ明けない。
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