前世の故郷へ着く令嬢
ブルーウォーム精霊国の都市
私が前世で設計した町並み。とても懐かしく感じた。
都市の真ん中には大きな噴水があり、その中心には、前世の私の銅像があった。
「あれが剣聖……そして、銅像が持つ剣が、実際に使われていたという大剣ね……生きてる内に見れてよかったわ」
「……でも、盗まれないの?」
「噂によると、大剣が人を見るらしいわ。大剣が認めた人だけが抜けるらしいわ」
ただ重いだけなんだけど……ね。
「ほら、行きましょう! 私達が住む家に!」
「え、ええ。そうね」
私達は追加でもらった地図を頼りに、家へと向かった。
「あ、あれ……? 王城……に着いた」
「へ……?」
その時、王城の門が開いた。それは大きな鉄製の扉だった。
「お待ちしておりました。フィオナ・セレスティア殿、そしてギルティナ・エリスフォード殿」
出てきたのは初老の男性だった。服装から見るに、使用人だ。
「え、あ、ええ?」
「もしかして、学園から聞かされておりませんか?」
「聞かされていないわ!!」
「ちょ、ギルティナッ!! 王城にいる使用人にそんな態度―――」
「いえいえ、大丈夫です。後は、中でお話をしましょう」
「はい」
■
「さて、学園からお話がされていないということで、私が代わりにお話いたしましょう」
そう言われると、男性は話し始めた。
「まず、この契約は―――」
長々と話され、眠たくなった私。
「……ということは、王の血統の護衛……? 私達で良いのですか……?」
そう言ったのはフィオナだった。
「ええ、学園側から毎年二人選ばれるのですが、その中で過去最高数値を出した二人を学園側が選んだのです」
「まだ、誰を護衛するのかは、決まっておりません。まず一年を見ならい期間とし、やる気があるのなら、一年後契約を更新する形になります」
「分かりました。ありがとうございます」
「では、お部屋を案内いたします」
■
案内された部屋は、とても豪華だった。
見習いとしての立場であるのに、こんな豪華でいいのかと思う。だが、それと同時に、私の前世での王族たちへの教えが伝わっているのも感じられた。
『感謝すべきものには、最大限のもてなしを』
前世で教えた事を、忠実に千年以上守ってる。この国はまだ腐ってはいない……でしょう。
「ギルティナ……この部屋広すぎ……」
「そうね! でも良いじゃない!!」
「お気に召して何よりでございます。では、そろそろ夕食の時間になってきました。まずは国王陛下との顔合わせを行ってください」
なるほど、夕食を王族と食べる。礼儀作法、そして力の見極めをされる時なのだろう。
フィオナは、ギルティナの雰囲気が少し変わるのを捉えた。
「緊張してる?」
「いいえ、緊張ではないわ。ただ、国王のお顔が早く見てみたいのです」
使用人が笑う。
「そう焦らなくても、大丈夫です。そして、緊張もしなくて大丈夫です。国王陛下はとても優しい御方なのですから」
やはり、決まりは守るこの精霊国。発展が止まることはない。
「では、参りましょう」
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