魔力が途切れた令嬢
「お腹へったわね!!」
「―――は?」
「減った! 減ったぁ〜!」
第一回戦が、思ったより長引いたせいで、お腹が減ってしまった。
私はすぐ、屋台に行った。
「ここからここの焼き鳥全部ください!」
「え、ええ!?」
時間がかかったけど、全部買った。
「前世にもあったかもだけど、食べたことはなかったから、今のタイミングで食べれてよかった」
その時、フィオナが急いで走ってきた。
「ギルティナッ!! 二回戦目始まるよ!! 早く戻―――」
フィオナは、私が抱えている焼き鳥の入った袋を見て、固まった。
「は……はは。はやく行きなさい……」
フィオナはぐったりしていた。呆れたのか、またそれ以外か。
■
私は、焼き鳥を食べながら、場内へと戻っていった。
「相手はまだかぁぁああ? 逃げたか?」
「逃げるわけ無いでしょう」
焼き鳥をすべて食べ、袋を置く。
「はッ!! そんな食べたら、勝てるわけねぇだろ!!」
「始め!」
一瞬で距離を縮められる。
だが、相手が悪いわ。アクセル・ステップ。
「なに!?」
そして、魔力を込めて相手を倒そうとした時、魔力が散った。
魔力が練れなくなった。
相手―――ヅラ・カクシはニヤッと笑った。
カクシ子爵家。純粋な剣技としては、エリスフォードの次くらいの名門。だがその内部は黒く、どこから資金を集めているのかすらわからない。
だけど、負けるわけない。
ヅラを蹴り飛ばす。純粋な剣技でも、私は負けない。
ギルティナの構えが変わる。片手持ち、右足を前に出し、左足はしっかり地面を捉える。
斬る……それだけ。
「手加減はする。ただ、気絶するだけよ」
「は? 調子のるな―――よ……」
その時には、ギルティナは視界には居なかった。その代わりに、全身に痛みが走り、気絶した。
「しょ、勝者ギルティナ・エリスフォード!!」
ギルティナは、周りを見渡す。フィオナはこちらを目を丸くして見ていた。
■
「シスター今の見たか?」
「ええ、見ました」
「急に魔力が途切れた。だが、純粋な力だけで倒した」
「あの構えはよく見たことがあります。まさか、受け継ぐ人がいるとは、思いもしませんでした」
「それよりも、だ。なぜ、魔力が途切れたかを考えないとな」
シスターは咳払いをして言った。
「ええ、それも考えなければなりません。それと、フィオナさん。アチラも大事な鍵になります。観察を続けてください」
「はいよ。シスター」
「……では、私は、ギルティナさんに会ってきます」
「え、ああ。気をつけろ」
シスターは、転移陣を使って地上に降りた。




