第一回戦を勝ち抜く令嬢
「さぁ、今年も始まりました! 剣士祭の大目玉! 剣魔大会!!」
始まった。いざ始まると緊張してくるものだわ……
「まず一回戦、魔法科――イカサマ・バッカー選手対剣士科――ギルティナ・エリスフォード!!」
その名前が呼ばれた瞬間、ブーイングが巻き起こる。
「イカサマ勝て!」
「まぐれ剣士に負けるな!!」
■
「やぁやぁ……まぐれ剣士さんよぉ……」
同期ではない。明らかに私を負かしに来ている構成になっている……が。
「始めッ!」
「ファイアー!!」
遅いわ。
ギルティナは一瞬で避けた。更に避けるだけじゃない……避けたと、同時に一歩前に出ている。それを気づけるかどうかで戦況は変わるのだけれど……
「ファイアーッ! ファイアーッ!」
こんなの、魔力を使う必要すらない。
イカサマの後ろに回った……はずだった。足がもつれ、バランスを崩したところに―――
「ファイアーブラスト!!」
「卑怯なことをするわね」
私は体を捻って、避け、そしてイカサマを蹴り飛ばす。そして……
「卑怯なことはいただけないわね……」
レイピアを出す。今日初めて抜いた。
皮膚を切り刻むことはしない。服を斬る。
カチャン……
その音だけが場内に響いた。
「は?」
その瞬間、イカサマの高級そうな服は木っ端微塵になった。
「は、はぁあああ!? 何をする貴様ッ!!」
「勝者、ギルティナ・エリスフォード!!」
私は、観客席へと戻っていく。観客全員固まっていた。まぐれ剣士にしては、精度が高い……と。
■
監視者そしてシスターは、マータイトから学園を見下ろしていた。
「あの娘、力など微塵も出していないな」
「ええ、あの子の力は強大です。だから、剣士の天職が与えられたのでしょう。女神様は何かお考えになっているのでしょう」
観察者はため息一つ、ついた
「あの娘、異端ではないのか?」
「いいえ、あの子は希望です。この人類の衰退の歯止めの役割を果たすかもしれません」
「剣士伝説なんて、信じるもんじゃないだろう」
「それを言ってしまえば、剣聖など幻の存在になってしまいます」
「それでも良い。剣聖がいるかもわからないってのに」
シスターは笑った。
「いいえ、いますよ。絶対に」
「へいへい」
監視者は学園を見続けた。シスターは持ち部屋に戻り、何かを漁るのであった。
■
「ギルティナ、すごいじゃない!!」
「そんな事無いわ……あれは、相手が弱かったからよ」
そういった。
隣、その隣、私の前、私の前の隣――全員舌打ちをした。
「はぁ……優勝しないと、ダメなのかしら」
「優勝したら必ず、考え方を変えるはずよ。頑張ってね、ギルティナ」
「うん。分かったわ!!」
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