ゼロ イチ4
ヒノミ「まさか、あんな簡単にあたしの作品が消されるなんて思わなかった。」
フタコ「隊長だよ。あいつ。隊長レベルはやっぱり一筋縄ではいかないね。」
…
キン!
…
フタコ「ヒノミがもっと強いツミアミ作れるようになんないとね―!」
…
キン!
…
ヒノミ「あんたもたまには手伝いなさいよ。」
…
キン!
…
フタコ「待って!何か聞こえる…金属がぶつかり合った音…」
…
キン!
…
フタコ「近づいてる!何かヤバいよ!逃げよう!ヒノミ!」
バチン!シュー…
フタコとヒノミの前に何かが強烈な破裂音を出して止まった。
土けむりがその正体を二人から隠していたが、それは自ら語りだした。
「こんにちわぁ~!初めまして朝陽正人といいます。宜しくね。」
ヒノミ「あんた何者?」
朝陽「裏刀長官です。君たちのツミアミを消した隊長の統括役」
ヒノミ「そんな嘘っぱち!」
フタコ「やめなヒノミ!本物だ。」
ヒノミ「え!?」
フタコ「そんなお偉いさんがどうしてこんな廃墟に?」
朝陽「君たちさ。我々の目はいつ、どんな所にも行き届いている。さぁ、一緒に着て貰おうか。暴れるだけ無駄だし、僕もお嬢ちゃんに怪我をさせたくないからね。」
ヒノミ「やだね!偉そうに!」
フタコ「だってさ長官!」
ヒノミの能力はツミアミを生み出す能力だ。
フタコの能力は己の身体能力の強化だ。
二人はありったけの妖力を使った。
朝陽(さぁ、お手並み拝見といこうか。)
フタコは消えた。
足に妖力を集中させ、生物としての限界を突破した速さで走っている。
だが、直ぐには攻撃せず、朝陽の様子を伺っているようだ。
朝陽の周りで風を切る音があちこちから鳴っている。
朝陽(へぇーこんなことも出来るんだ。副隊長レベルだと着いていけないこもいるだろうね。)
ヒノミ「よそ見してんじゃねぇよ!」
ヒノミの周りの空間が歪み、ツミアミが出てきた。
朝陽(なるほど、この子がツミアミで襲ってきたということか。副隊長対象レベルを20体か。なかなかの妖力量だ。)「だが相手が悪い。組織のトップってのを見せてあげよう。」
己の身体に妖力をまとい、身体能力を向上させるのは妖力の基本である。普通、人としての限界を超えるまでで生物としての限界を超えるのは不可能である。
だが、それ専門の組織を束ねるトップが、身体能力を向上させるのだ。生物としての限界など、越えて当然。
朝陽は右足を踏み込んだ。その足は二人から見えなかったが、例の音だけが聞こえた。
「キン!」
この音は朝陽の足音だったのだ。
人類の天敵であるツミアミ討伐部隊の最高戦力、朝陽正人の基本能力で、生物の限界を越えている。足音が金属音になっているのがその証拠である。
フタコ(消えた!?)
ヒノミ(どこだ!?)
2人の周りから、金属音が連続的に鳴っている。
だが、朝陽の姿は確認できない!
ヒノミ(何が起きてるの…?)
朝陽「後ろだよ?」
フタコは止まっていたわけではない。全速力で周りを移動していた。それでもぴったりと真後ろを取られた。朝陽の冷たい声が耳元から入り、背筋を凍らせた。




