↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/40

29.大切な時間

誤字脱字、拙い文章すいません。

目が覚める。


窓から太陽光が射しているのが見える。


見慣れた自室の光景が視界に入る。


身体に痛みも感じなければ、血の匂いもしない。


だが映像としてはっきり覚えている。


瞼をとじれば血にまみれたあの空間が鮮明に甦る。


その景色に吐き気を催して目が覚める。


口を押えながらベットから飛び降りる。




顔を洗い、朝食を食べる。


鼻を衝く血の匂いも何も残ってはいないのだがあの光景がよぎって食は進まなかった。



家の外に出て日光を浴びる。


温かい日光が身体中を貫く。


「…気持ちい」


温かい光が心を癒してくれてるように感じる。


だがあの光景は瞼の裏からはがれてくれない。


巫女の事はもちろん心配だし心の底から助けたいと思っている。


だが、あの光景を実際に前にした時わたしには何かを変えることができるのだろうか。


スキルを失ったわたしに何ができるのだろう。


そんな事を考えているとわたしの家に向かってくる人影がみえた。


長い金髪を翻し駆け寄るさまはなんとも形容しがたい美しさを内包している。


「リリィ元気ですかー。準備は出来てまーす?」


その洗練されたお嬢様のような外見には似つかわしくない口調で神崎さんは言う。


お嬢様のような外見どころか王女様なのだが。


彼女は手に大きなカバンを持っていた。


準備は完了しているらしい。


「ええ、出来てますよ。ちょっと待っていてくださいカバンを取ってくるので」


そう言ってわたしは一度家に入る。


昨日武器屋に行く前に荷は物をまとめておいたカバンを手に取る。


「あ、剣いれてない」


あたりを見回すが剣は見当たらない。


昨日のことを思い出すに帰ってきてそのままベッドに倒れこんでしまったので部屋のどこかに落としてしまったのだろう。


「リリィーどうしたでーす、まだでーす?」


外から神崎さんの声が聞こえる。


それほど時間もたっていないはずなのだが。


そんなに楽しみにしているのだろうか。


「ちょっと待ってください、すぐ行きますから」


そう言いながらベットの下をのぞき込むと一本の短剣が落ちていた。


「あったぁ」


声を上げて安堵する。


鞘を掴みベットの下から引きずり出す。


短剣と言ってもイメージする短剣よりは少し長めだろうか。


柄の部分には様々な華の装飾が施されており、部屋に飾っておけば目を引くだろう。


店主にはインテリア用と言って選んでもらったのだからそれもそのはずなのだが。


改めてみるとその精巧な作りに感動すら覚える。


わたしは今まで剣を殺すための道具としか見てこなかったし、デザインに拘ったこともなかったので初めて剣の魅力を感じられたようでなんだか心が浮き立つ。


朝起きた時には最悪だった気分が今ではスッキリとしている。


それほどまでに心を動かすモノを作れる人間がいるのだから、この世界はまだまだ美しいのだろう。


剣をカバンの中に入れ、家を出る。


「もー遅いでーす、40秒で支度するでーすよ」


「40秒はちょっと無理ですよ」


「もぉー、これだから記憶喪失はこまるでーす」


神崎さんは拗ねたようにそっぽを向いてしまう。


また元の世界の言い回しだったのだろうわたしの記憶が戻るようにとそういった言い回しを使い続けている神崎さんに少々冷たく当たってしまったことを後悔する。


「すいません」


「あ、ごめんでーす。リリィも記憶喪失になりたくてなった訳じゃないです、わかってまーす。こちらこそ、ごめんなさいでーす」


わたしが予想以上に落ち込んでいたのだろう。


神崎さんは私よりも深々と頭を下げる。


「ふふ、あはは」


「あははは」


二人同時に顔を上げ顔を見合わせるとなんだかおかしくて笑ってしまった。


神埼さんも同様に感じたらしく笑っている。


さっきまでの空気と打て変わって次の瞬間には同じ事で笑っているのだから人間という生物の心はなんとも複雑だ。

続きます。

気に入っていただけたらブクマ、評価よろしくお願いします!

読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。