24.人間・機械・龍
誤字脱字、拙い文書すいません。
「大丈夫かぁ、英雄さんよぉ!」
女性と光の間に巨大な人影のようなものが現れる。
人影に阻まれレースの攻撃は女性には届かない。
「oh…ロボでーす」
女性は唖然としながら呟く。
「神崎 京子だな?世界を救うためにあんたの力が必要なんでな、助けさせて貰うぜぇ」
約3メートルの巨体。
外見はどう見ても人ではない。
そして似たものをリリィは見た事があった。
「グリフィス・オドネル…」
「おぅおぅ、久しぶりじゃねぇか勇者様」
最初の戦闘ではリリィはその名を知らなかったが巫女が教えた名前を口にする。
ウルカトルの王城でリリィとの死闘を演じた人間、グリフィス・オドネル。
その全身を覆うような甲冑のような装備は当時のリリィ達以上の能力を持つ強敵であったがLv32にまで到達したリリィ達の敵ではないはずだった。
「かなりレベルを上げたみたいだが俺達の技術の発達の方がスピードは早かったみたいだな」
グリフィスの顔は見えないが、不敵に笑っているのがよく分かる。
「どうしてここに…」
「世界を救いに来たにきまってんだろうが?人間殺しまくってる勇者を殺して、魔王も殺す。それが王の命令だぁ」
巨体がガガガと駆動音を上げてリリィに迫る。
「剣よ!」
EXスキルで手元を離れていた剣を自身の元に戻す。
剣はリリィの手を離れたまま自在に操られグリフィスの攻撃を防御する。
「おっ?なんだそりゃぁ、おもしれぇスキル使うじゃねぇかぁ!」
オドネルの攻撃は両手両足による打撃だ。
四肢から放たれる攻撃をリリィは全て防いでいる。
(軽い、これなら勝てる!)
「はぁ、はぁ、はぁ、お姉、さん、すいま、せん…」
レースは疲労が酷く、地上に降りる。
それほどまでに強力な攻撃だったのだ。
だからこそ英雄を殺す事の出来る技という自信があった。
だが、オドネルはまるでダメージを受けていないようだった。
「気を、付け、て、くだ、さい…」
レースは気を失ってしまう。
ざっ、ざっ、と、無数の足音がレースを囲む。
「こちら、07B.S小隊。敵勇者を発見。鹵獲する」
レースを覆うように巨大な影が現れる。
影には無数の砲台など様々な武装が施されている。
形容するに戦艦が適当だろう。
空を翔ける、巨大な戦艦。
ウルカトルの秘密兵器【ノア】。
歴代のオドネル達が改良を続け、進化を続けるその舟は現在ナルハックの上空を浮遊していた。
「こちら【ノア】、鹵獲後直ちに艦に戻られよ。もう1人の勇者を発見、援護に向かう」
「了解」
「おらおらおらおら、どうしたぁ!守ってるだけかぁぁ!!」
グリフィスは更に攻撃の速度を上げていくがリリィはそれら全てを防ぎきる。
(大丈夫、落ち着いて対処すれば必ず勝てる!)
リリィは防戦に徹し、反撃のチャンスを伺う。
その光景を英雄、神崎 京子はただ眺めていた。
状況を全く理解出来ていなかったのである。
そもそも彼女はリリィ達と戦う理由すら持ち合わせていない。
ただ攻撃されたから応戦していただけなのだ。
【竜王ニヴルヘイム】によって封印され100年以上の時が流れ、封印が解かれた瞬間に謎の襲撃を受ける。
更に攻撃を仕掛けてきたのが勇者だ。
京子の動揺は計り知れないものだっただろう。
そこに謎の男の介入。
京子がロボと呼んだ存在の介入だ。
更にそれは勇者が大勢の人間を殺すとも言っている。
京子にはそれが1番理解できなかった。
(勇者が人間を殺す?ありえないでーす!そんなことをする意味がないでーす!)
それも当然か、彼女達は魔物を倒しレベルアップしてきたのだから。
京子は思考ばかりが回り、身体が動かなかった。
「おらおらぁ!!」
グリフィスが力を込めた渾身の一撃を放つ。
リリィはそれを防ぐが、少し後方に飛ばされる。
2人の距離が開く。
「くそが、防ぎ切りやがるか、やるじゃねぇか」
先程まで挑発していたグリフィスが相手を認めるようなことを言う。
攻撃している間は性格も攻撃的になるのか。
「……」
リリィは無言でグリフィスを睨み付ける。
リリィはスキルで操っていた剣を手で掴み構える。
(防ぐのはいける、でも…攻撃が通らない。レースのスキルを防ぐなんて…どうすれば)
その時3人を巨大な影が覆い尽くした。
リリィは上を見上げる。
「なに….あれっ」
「うっ、宇宙戦艦でーす、ですぅ!?」
リリィに続いて京子までも驚きの声を上げる。
「なんだ、もう来たのかよジジイ」
「なんだ、助けに来てやったんだ。素直に喜べないのか?」
上空に浮かぶ巨大な舟、【ノア】から声が発せられる。
「あぁん、こんな奴俺一人で十分なんだよ!」
「ふん、バカタレが【アーサー】はまだ未完成だと言っているのが分からないのか」
「うっせぇこいつだけでも十分に戦えんだよ!」
「反抗期の糞ガキが。おい、主砲構えろ。あの糞ガキ諸共失敗作を焼き払え」
「で、ですがっ!」
「いいからやれ、【アーサー】なら大破はしねぇよ」
「なっ!てめぇくそじじい!聞こえてんぞ!!」
「ならさっさとその失敗作をさく捕まえて避けれねぇように抑えやがれ。それともアーサーの耐久力に自信がねぇのか?そりゃそうだよなぁ、いくら天才だのなんだの言われても所詮は糞ガキ、オドネルの歴史が詰まった【ノア】の主砲は耐えれねぇわなー」
「あぁ!てめぇ舐めやがって!余裕だ!くそじじい!」
グリフィスが操る【アーサー】と呼ばれる機体がリリィを掴みにかかる。
唖然としていたリリィの腕をグリフィスが掴む。
「なっ、離してっ!」
リリィはグリフィスを斬り付けるがダメージは与えられない。
「おい、あんたはさっさと逃げろ巻き込まれるぞ」
グリフィスが京子に呼び掛ける。
「そうですねー。その子は私を殺そうとしてて。貴方達は私を助けてくた。…でもねー私勇者だしねー。やっぱりみんなを助けたいでーすね」
「はぁっ!?頭沸いてんのか!」
「私は世界を救うために召喚されたでーす。世界にはもちろんその子も含まれるでーす」
ピースサインをしながら京子は笑顔で言う。
「おい、ジジイ。こいつ頭おかしいぞ!」
「………」
「なんか言えよ!英雄が死んじまうぞ!」
「………」
アンリは応答しない。
「いいんですか?」
「…見えないのか、神崎 京子、英雄は本気だ。本気でやらねばこちらがやられるぞ!…照準合わせぇ!」
【ノア】は垂直になり、下に主砲を向ける。
照準が捉えるのは3人、リリィ、グリフィス、京子だ。
「撃てぇえ!!!!!!」
【ノア】の主砲が発射される。
オドネルの歴史そのものと形容するに値する一撃が天より降り注ぐ。
莫大な光を放つビーム砲。
大気を焼き、上昇気流すら生み出す。
「全力、出しまーす!!EXスキル【龍化】!!」
続きます。
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