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20.3人

誤字脱字、拙い文章すいません。

「EXスキル【ソードバース】!!」


リリィがクリスタルの真上からEXスキルを放つ。


「きやぁぁぁ!!」


クリスタルの周りに集まっていた人々が悲鳴を上げるが、その誰にも被害は出ていない。


無数の刀身が一筋の光となりクリスタルへと直撃する。


「はぁぁぁぁぁ!!!」


リリィが叫ぶとそれに共鳴するように放たれている光の輝きが増す。


全ての刀身を放ち切り、光は消える。


「はぁ、はぁ、はぁ」


リリィは息を上げ肩で息をしている。


「そんなっ、どうして…」


巫女が声を漏らす。


音量は小さいが酷く衝撃を受けた事が分かる声色だった。


「リリィ、さん、あの、クリスタル、傷一つ、付いて、ない、です!」


「えっ!?」


リリィは慌ててクリスタルの方を向く。


そこには先程までと変わらないクリスタルがあった。


「そんな、ありえない、だって、え?天啓は?なんで、どうして?」


この出来事で最も衝撃を受けているのは巫女だ、両手で顔を押さえてブツブツと悲観に暮れている。


「わぁっ!」


レースが悲鳴を上げる。


広場にいた人々がリリィ達の存在に気付き石を投げている。


「巫女さん!一先ず逃げますよ!」


「えっ、ええ、わかりました」


クリスタルを守っていた兵士達がリリィ達に向けて魔法を放とうとしている。


「リリィ、さん!私に、掴まって!くだ、さい!」


レースが手を差し出し、リリィは咄嗟にそれを掴む。


「【転移(スライド)】!」


レースの、声と共にリリィの視界が一瞬遮られ、景色が変わる。


レースのスキルで安全な所に移動したのだ。


「甲板?」


「はい、ここ、なら、大丈夫、です、よね」


レースは巫女に笑顔を向けて確認を取るが巫女はそれに気が付かない様子で座り込み、俯いている。


「巫女さん?」


リリィが巫女に声を掛けるがそれにも気が付かない。


「どうして?ありえない?そんな事許されない」


そんな事を巫女は繰り返し呟いている。


常人なら聞こえないだろう声量だが、リリィはスキルでそれらが聞こえている。


「巫女さん、どうしたんですか、落ち着いてくださいよ」


リリィ、ゆっくりと屈み、巫女を抱き締める。


「あはは、リリィちゃんの方から抱き着いてくるなんてさそってるのかなぁ?」


巫女の雰囲気が一転してそんな軽口を叩き、リリィを抱き締め返す。


「えっ!?ちょっと巫女さん!辞めてください!」


人が変わったようにな明るくった巫女にリリィは戸惑いながらも安堵する。





「それで、これからどうするんですか?」


ムスッとした表情でリリィは巫女に聞く。


「うん、さっきの攻撃は確実にあの英雄を殺せるだけの力はあったの、でもクリスタルが邪魔だった…あのクリスタルはドラゴンの魔力で造られたものなのね、だからあの英雄の防御力は英雄とドラゴンの防御力を足したものなの」


「それじゃあクリスタルをどうにかしないと中の英雄には攻撃出来ないって事ですか?」


「でも、クリスタル…封印は解けないんですよね」


「私もそう思ってたんだけどね、レースちゃんあなたなら出来るんじゃない?」


「多分、出来る、と、思い、ます」


「えっ?」


リリィは思わず声を上げるが、思い返せばレースは封印を解いて味方になってもらえばいいと言っていた。


つまり、封印を解く策があると言う事だ。


「私の、EX、スキル、で、魔力の、ながれている、もの、を、無効に、出来る、ので、あの、クリスタル、が、魔力で、造られたもの、なら、壊せる、と、思い、ます」


「ごめんねレースちゃん、さっきはろくに話も聞かないで」


「いえ、別に、大丈夫、です」

(リリィさん以外になんて思われても)


「で、でも巫女さん、今日はもう【ソードバース】は使えないですよ?」


「ええ、だから今日は休んで明日明日もう一度仕掛けるの!今日の騒ぎでクリスタルは移動させられでしょうけどそれくらい全然平気よ」


3人はそれぞれの寝室で休む事にした。




「明日、また人を殺す」


リリィは寝室で明日の事を考える。


「でも、封印を解くなら戦闘になるかもしれない。…そうなれば勝てるの?」


明日リリィが相対するのはこれまでに殺して来た人々とは違う。


強大な力を持ち、抵抗する。


そうなれば殺されるのはリリィの方だろう。


「魔王を殺さずには死ねない…」


相手を殺す決心を固める。




(リリィさん、大丈夫かな)


レースは自室の寝室で考える。


(でもどうして、あんなに嫌がるんだろう。人を殺すのは確かにいい気分はしないけど、魔王を殺すためなんだから気に病むことないのに)


レースにはリリィの心が分からない。


(あぁでも震えてるリリィさん、ふふふ…可愛かったなぁ)


レースの体が体温を上げる。


頬を赤らめ、呼吸の間が少し早くなる。


(はぁはぁはぁ、いつもの気高いリリィさん、震えて弱ってるリリィさん。どっちも好き!……あいつがじゃまよねふふふ)





「はぁー、…どうして天啓が…外れやがるんだ!」


「神様はリリィちゃんとレースちゃん二人がかりなら英雄に勝てるって言ってただけでしょ」


「とにかく、1日無駄にしたんだ!クソ共が1日延命しやがった!」


巫女は自身の体を掻きむしる。


「ちょっとやめて!体に傷がついちゃう!」


「落ち着いてください、もう失敗はありません」


「ああ、ああ、あああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!死ねっ!死ねっ!死ねっ!あはあはあはははははははははは!!」


「もう、落ち着いてって」


巫女は自身の腕に注射を撃つ。


(ちょっと前までは落ち着いてたのに…どうして……急に………………)


巫女は眠ってしまう。


3人の思いはすれ違い続ける。


これが交わる事は永遠にこないだろう。


少なくとも巫女は断言出来る。


あれは、もうすぐ壊れるのだから。


続きます。

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