19.英雄
誤字脱字、拙い文章すいません。
日は暮れ、祭りは最後のプログラムに突入する。
祭りに参加していた全ての人々が、広場に集まる。
封印されている勇者のクリスタルが置かれている広場だ。
勿論すべての人々が広場に入れるわけでもなく、広場の周りには人々が溢れかえっている。
「あっち凄い人だねー」
広場から少し離れたベンチでリリィとレースは座っている。
「はい、これ、から、どう、します、か?」
「うーん、とりあえず巫女さんと合流してからかなー」
「それ、じゃあ、巫女、さん、を、探さない、と、です、ね」
「でもこれだけ人が多いと探すのも難しそうだね」
「任、せて、くだ、さい!スキル、【探知】」
レースの顔の前に顔と同じくらいの鏡が出現する。
「それは?」
「ええ、と、自分、の、知ってる、人、が、今、どこに、いる、の、か、探せる、スキル、です。あっ、意外、と、近く、に、います、よっ」
「よかった、それじゃあ行こっこか」
「はいっ!」
2人は手を繋いで巫女の元に向かう。
「巫女さーん」
「あら、よくここがわかったわね」
「レースが、スキルで探してくれたんです」
「流石ねぇ」
「えへへ」
レースは照れたように笑う。
巫女の視線が下がる。
その鋭い眼光はリリィの右手とレースの左手に向けられている。
(やっぱり同年代の子がいいのかしら)
「それで、巫女さん。そろそろ教えてください。…大勢の人を殺さなくてもレベルアップ出来る方法があるんですよね」
リリィの言葉に巫女の思考は1度遮られる。
「ええ、天啓を貰いました。間違いありません。レベルの高い人間を殺せば貰える経験値は多くなるそうです」
「レベルの高い人間…ですか?」
「で、でも、そんな、の、勇者、しか、いない、んじゃ?」
リリィとレースはそれぞれ疑問を口にする。
「広場のクリスタルを見ませんでしたか?」
「広場は人が多くて…」
「そう、なら広場に行ってから説明しましょう」
「でもら人が、多く、て、入れ、ない、です」
「飛んで行けばいいじゃないですか」
3人は広場の上空に着く。
リリィに、お姫様抱っこで抱えられた巫女は満足気な笑みを浮かべている。
「クリスタルってあれですか?」
広場の中央に存在する巨大な三角形と四角形を組み合わせたようなモノを指して言う。
「ええ、あれを良く見て」
「あ、あれ、中、に、人、が、いま、す!」
レースがいち早く気づき、驚きの言葉を漏らす。
「えっ!?本当だわ、閉じ込められてる?」
「ええ、その通りよ。中にいるのはかつての勇者、2人の先輩よ」
「…ドラゴンに封印された勇者」
リリィとレースは巫女にクリスタルの経緯を聞いた。
「それでここからが本題。クリスタルの中の勇者は生きてる」
「生きてるんですか!?でも100年くらい前からあぁなんですよね」
「あれは時間ごと凍結させてるの、だから本人は100年経った事に気付いてないんじゃないかしら」
「そん、な、…」
クリスタルの勇者を憐れむようにレースが呟く。
「そして勇者は同時に2世代存在できない」
「どう意味ですか?」
「次の世代の勇者が召喚されると先代の勇者は勇者じゃなくなるって事よ」
「それじゃああの人は」
「役目を終えた勇者は英雄と呼ばれるわ。英雄にはレベルアップは出来ないけどレベルやスキルは維持される」
「勇者じゃなくなってもレベルはそのままって事ですか?」
「それなら、封印、を解い、て、協力、して、もらえ、ば」
「Lv50だとこの先の戦いでは生き残れないわ。それなら2人のどちらかの経験値になってもらう方がいいでしょ。それに封印を解くなんて不可能よ」
「で、でもLv50なんてわたし達2人がかりでも勝てるかどうか…」
「大丈夫よ、必ず倒せるわ」
リリィは震えていた。
500人以上の人達を殺してきた。
リリィは殺人を嫌がっているが実際のところ罪悪感は殺す度に薄れていく。
世界を救う為という免罪符もある。
リリィは自分が何故嫌がっているのかもわからなくなっていく。
「リリィ、さん、私、が殺して、いい、です、か?」
「え?」
リリィは思わず聞き返す。
レースはリリィ程に人を殺すことに躊躇いはない。
ならば簡単に実行できるだろう。
「やりたく、ない、なら、無理に、やる、必要なん、て、ない、です、よ」
「でも…」
「いいん、です、私、は、特に、何も、思い、ません、から」
レースはそう言うが、リリィはさらに苦悩する。
殺人を躊躇う自分の方がおかしいのかと、本心ではレースも嫌がっているのではないかと。
ますます、リリィの心が締め付けられる。
(わたしは……)
「…わたしにやらせて、大丈夫だから…」
リリィは巫女をレースに預けて剣を抜く。
「仕方の無い事なのよ、勇者が人を殺すのは…」
続きます。
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