11.牢屋後ティータイム
誤字脱字、拙い文章すいません。
サブタイに特に意味はありません。
思いつかなかっただけです。
男に付いていくと奥から光が射してくる。
「出口だ」
「やっと出れるー」
「リリィちゃんは私にもっとデレていいんですよ」
「いやいや、何言ってるんですか」
3人が地上に出るとそこは木造建築の並ぶ大きな街だった。
「ここは?」
「この国で唯一自然の中にない街だ。この国は王都や街の殆どが森や自然の中に存在しているがここは違う。台風の目のようなもので森の中心に位置する非自然地帯。以前は街々を繋ぐ街として栄えていたが…」
栄えていたと言う言葉が過去形なのはこの街を見た感想そのままだろう。
大きな街だが人は数えるほどしかいない。
栄えているとは到底言えない現状だった。
「一刻も早くあの化け物を倒さなくては…」
男は歯噛みしながら言う。
「…あの化け物と先程から言ってますけど見たことがあるんですか?」
巫女がそんなことを聞く。
「別に見たことがあっても不思議はないんじゃないですか?」
リリィは疑問に思い巫女に質問すると、巫女が直ぐにどうしてそう思ったのか説明する。
「ありますよ、だってその化け物って王様の前にしか現れてないじゃないですか」
リリィは巫女の疑問を理解したように得心する。
「確かに…そうですね」
男の話では例の化け物は王様の前にしか現れていない。
リリィが男の話を思い出しながら考える。
そしてつまりそれは、
(この男が王様?)
そういう事になる。
「今の国の現状にも詳しいようですし」
巫女が質問に付け足す。
その口調には敵意が滲み出ていた。
リリィも男に視線を向ける。
「…なぁ、あんた腕に抱き着いてるけど。どういう関係なんだ」
男が唐突にそんな事を聞く。
どう考えても話題を逸らしたいだけなのだが。
巫女が過敏に反応してしまう。
「未来の夫婦ですよねぇーリリィちゃん」
「いやいや、そんな約束してないですし。そしてその場合どっちが夫でどっちが妻なんですか」
より一層強く腕に抱きつく巫女にリリィが冷静にツッコミをいれる。
「…そうか…あんたも色々大変なんだな」
男はリリィに同情の視線を向ける。
「あはは、好意を抱かれるって言うのは嬉しくない訳じゃないんですけどね。ちょっと表現がやりすぎというか…はは」
「リリィちゃん…」
リリィは目元に涙を浮かべて喜ぶ巫女に苦笑いを向ける。
後半の部分は巫女の耳には入っていないらしい。
昨夜から巫女に対してなにかしら心境の変化があったのかもしれない。
(巫女の事を受け入れたり…)
リリィは自身の身体が熱くなるのを感じる。
「どうしたのリリィちゃん、顔赤いけど?」
「な、なんでもないです!わ、わたし達の事はいいですからあなた結局何者なんですか!」
リリィは話題を戻そうと必死に言う。
元々はその話だったのにどうしてそこまで話が逸れてしまったのか。
「俺はただの一国民だ。なんの力もない一般人さ」
そう言って男は歩き出してしまう。
「どう思いますか?」
「まぁ違うと言うなら違うんでしょう。とりあえず今はそれでいいんじゃないかなぁ」
「そうですね」
2人は男に着いて歩き出す。
3人は街の喫茶店に入り今後の動きについて話し合う。
「そもそもその化け物は何処にいるんですか?」
リリィがティーカップに入れられた紅茶を1口飲み男に聞く。
「それはわかっている。奴は今王城に住んでいる」
「え、じゃあ行けないじゃないですか!確か森の中にあるんですよね!」
危うくティーカップを落としそうになるリリィだがなんとか持ち堪えて言った。
「あんた達、空は飛べるか?」
「え、飛べますけど」
「私はリリィちゃんに抱きかかえてもらうので大丈夫です」
巫女の発言を無視して男は続ける。
「…まぁ大丈夫だろう。空からの侵入なら魔法は発動しない。問題は城に入れないという事だ」
「どういうこと?」
「王城は妖精からの贈り物。木々が成した自然の要塞だ。つまり俺たち人間は足を踏み入れることができないわけだ」
「城に入れないなら上空から城を攻撃したらいいんですよ」
巫女がいう。
「でもわたしは城を破壊する力なんてないですよ?」
「この街に武器屋はあります?」
「あると思うが?」
「なら大丈夫。リリィちゃんのEXスキルで城なんて一撃よね」
「あれ、巫女さんにEXスキルの話なんてしましたっけ?」
「わ、私はなんでも知っているのよ」
何かをごまかすように決め顔で巫女で言う。
「巫女さんってほんと時々わけのわからないこと言いますよね」
「まぁまぁ女はミステリアスな方がいいって言うじゃない?」
「はぁ、そういうものですか」
リリィは呆れたように言う。
「イチャイチャするのはそれくらいにしてくれ」
男が頭を押さえてため息交じりに言う。
「とにかく武器があれば城を攻撃できるんだな?」
再度確認するように男が問う。
「え、えぇ、まぁ。多分跡形もなくなくなりますけどいいですか?」
リリィが申し訳なさそうに言い、城を壊してもいいのかと聞く。
(妖精からの贈り物だというのだから国民からはかなり大切にされているはずだ)
そんな思いから出た質問だった。
「仕方ないだろ、どうせあの城を見る人間がいなくなってしまえば同じだ。遠慮なくやってくれ。まぁ俺が許可したからと言って意味はないんだがな」
「よかったねリリィちゃん、これで気兼ねなくぶっ壊せるよ」
「わたしが何でも壊したがるバーサーカーみたいに言わないでください!」
そうして3人は店を出た。
「本当にあなたは何も食べなくてよかったんですか?」
リリィが男に聞く。
巫女とリリィは喫茶店で軽い食事をとったが男はなにもくちにしなかった。
「…あんたら不法入国だろ」
そう言って男はリリィ達に右手の甲を見せる。
そこには小さな魔法陣が刻印されている。
「それは?」
「言っただろう、生活リズムも管理されているって。いまや食事を摂るのだって決められた時間に、のみだ。それを破ればこの魔法陣が発動して牢屋行きってわけだ。今はこの国に入る時に刻印される決まりなんだがな」
リリィの手の甲を見ながら男は言う。
「さ、さぁ行きましょう!生活リズムを管理なんて許せません!」
リリィは不法入国を誤魔化そうと慌てて言う。
「私の可愛いリリィちゃんの手をいやらしい目でみないでくれますぅ?殺しますよ」
巫女がそんなまとはずれなことを言う。
(なんだか徐々に巫女さんの性格がおかしな方向に変わっていっている気がするよぉ!)
リリィは内心叫んで、
「いや、わたしはいつ巫女さんのものになったんですか!?」
声に出しても叫んだ。
数少ない街を歩いている人たちの注目をリリィが一身に集める。
「ふん、あんたら変わった奴らだが嫌いじゃないな。…まずは武器屋だったな、行くぞ」
三人は武器屋を目指して歩きだす。
続きます。
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