北の村で
お待たせいたしました。
ブクマ評価ありがとうございます。
ブクマ評価増えてきたので頑張りたいのですが、いかんせん素人なので筆が進まない
コウが先行して林を抜けた先には開けた場所があり、そこに村があったわけだが。
「こりゃひでぇなぁ」
コウが見たものは、村のいたるところで戦う人間とゴブリンであり、またゴブリンは村を囲んでおり、その数は少し多いどころか、数えるのに苦労しそうなほどだった。
ゴブリンは人間の子供サイズではあるが、肌の色が緑っぽく醜悪な顔をしている。
また、それでいて力は成人男性ほどもあり、数も多く連携もしてくる。
ゲームなどでは雑魚として出てくるモンスターではあるが、ゲームと違い1~3匹などで出てくるわけではなく、常に10匹単位で行動をしているため、実際に戦うとなるとこれほど厄介なものはいないだろう。
中には知能が発達し、武器や道具を使う個体もいる。
まさしくその個体のゴブリンがやったのかそれとも事故か、点々と存在する家が破壊されていた。
そこらから上がるのは悲鳴と怒号であり、前者は戦うことのできない女子供と老人で、後者は戦っている成人男性か。
コウはまわりを見て、冒険者の斥候っぽいやつを探してみたがそれらしき人物がいないため、探すのは後回しにして、状況を確認することにした。
どうやら村の中心に非戦闘員が集まり、その周りで男の若い衆が守りを固めているためか、人に被害は少ないようだ。
「助太刀する!」
近くにいた斧を持って戦う体格のいい人物に声をかけると、戦っているためこちらにちらと視線をやり、
「感謝する!さっきも冒険者の一人が手伝ってくれてたんだが!」
と戦いながらも説明しようとしたのか冒険者の斥候らしき人物の情報が出てくるが、まずは殲滅かと思って行動することにした。
気を高めて体を戦闘モードに切り替え、まずは近くで苦戦している村人の援護に回り、ゴブリンの数を減らしていこうと思った。
一人でゴブリン2体に挟まれている奴に近づき、1体を蹴り飛ばす。
「ぐぎゃっ」
『ごきっ』っと首が折れて飛んでいくゴブリンはもう絶命しているので、そのままもう1体も近づき蹴り飛ばす。
どごん!と大き目の音がするがとても蹴りの音とは思えなかった。
「げぎゃっ」
今度は内臓破裂か口から血を吐き飛んでいくゴブリン。
それを見て目を丸くしている村人は、こちらに気づくと
「た、助かった、ありがとうよ。・・・あんたは?」
「気にするな、行きずりの冒険者だ」
そういってコウはさっさと次の獲物を見定め、スッと音もなく近づいては蹴り飛ばす。
あえて蹴りの際に音を出しているのは故意で、ゴブリンたちの注目を集められればと思ってのことである。
それを見て引くならよし、向かってくるなら叩き潰すのみ。
近づいては蹴り飛ばしを繰り返していると、ゴブリンたちの注目を集めたのか敵意の視線が多く感じられるようになる。
視線を受けつつ、音もなく移動をすると離れたところでまたどごん!と音がしてゴブリンが吹っ飛んでいく。
その様子を見たゴブリンたちが困惑しているようだ。
いままで優勢と思われていたものが、一人の人間の登場で一気に形勢が逆転したからである。
そのままコウはゴブリンの殲滅をしていると、ミリアの操る馬車が到着する。
村の入り口で止まり、御者台から飛び降りて声を上げるミリア。
「コウさん!状況は!?」
「見ての通りだ!とりあえず追い払うか殲滅するぞ!」
ミリアが村に着いた時はほぼコウが一人で制圧する勢いで倒していたが、それでもまだまだ数が多かった。
また、声を上げたミリアを見たゴブリンが女だからいけるとみたか、数体で襲い掛かろうとした。
しかしミリアも辺境の騎士団とはいえ副団長を務めていただけあり、足さばきでそれらを避けるといつの間にぬいたのか、突剣でゴブリンたちの頭を貫き的確に仕留める。
「お嬢様は馬車から出ないように!」
アルメリアが馬車から首を出して外を覗いていた為、そう言い残してミリアも村に突撃し、まだ戦おうとするゴブリンを仕留めていく。
コウもどんどんと蹴り飛ばし、蹴り殺しとゴブリンを減らしているとやがて不利を悟ったか、
「げぎゃっぐぎゃぁ!」
一回り大きめのゴブリンが剣を振り上げ、村を襲っているゴブリンたちに指示らしきものをだすと、ゴブリンたちが一斉に村の西側へと退き始める。
その様子を見たミリアが声を上げる。
「あれはまさかゴブリンリーダー・・・?なぜこんなところに・・・」
ミリアの言葉を聞いたコウは首を傾げるが、退いていくならまずは村人の確認だなと思い、気を静めた。
村の周りを囲まれていたために村の中心で戦えない人が集まっており、怪我をしているものも運ばれたようだ。
そこへ、ミリアを伴ってアルメリアが駆けてくる。
「コウさん!けが人は!?」
そう言葉を受けて人が集まる村の中心、広場に目を向けると結構な数のけが人がいた。
やがて村の周りに散っていた男たちが戻ると、さっきの斧を持った体格ののい良い男も戻ってきていた。
アルメリアがケガ人に駆け寄り、治癒魔法を施していく。
回復してもらった人は涙を浮かべて感謝する。
アルメリアが治癒をしていると、集団の中からそこそこ体格のいい男が進み出てくる。
「ありがとう、たすかったよ。私はこの村の村長だ。・・・まさか治癒魔法まで使える人が来てくれるとは思わなかったが・・・それで、その・・・見ての通り、村も焼かれてしまってお礼として出せるものは何もないんだ・・・」
本来ならば謝礼としてなにか譲渡するのが通例のなのだろうが、被害が甚大となった村に出せるものが何もないのか、コウをリーダーと見て、そう申し訳なさそうに言ってくる村長。
「別に礼などはいらない。それよりも俺の前に冒険者の一人が来ていたはずだが・・・」
まずはそいつを探さないとと思いきいてみると、怪我人の中に視線をやる村長。
すると何人かが視線を向ける方向を追っていくと、大分ひどいけがをした男が村の女性に看病されていた。
視線を向けると、その女性が申し訳なさそうに
「すみません、この人は私をかばって・・・」
そういったきりうつむく女性。
コウはアルメリアを呼び、彼を先に治癒するように頼む。
アルメリアはそれに従い、冒険者らしき男に治癒魔法をかけると傷がふさがり始める。
その様子を見た女性ははっと顔を上げてアルメリアを見る。
視線を受けたアルメリアはにこりと笑い、
「もう大丈夫ですよ」
と言って女性を安心させてやる。
それを見たコウはひとまずあれで大丈夫だろうと思い、ミリアと視線を交わし共に村長に近づく。
「すみません、状況を確認したいのですが」
村長はこちらに顔を向けて
「何でしょうか?」
「どうしてあのような状況になったのです?ゴブリンたちが近づいてくるなら普段狩りをしている村の人でも気づけるはずですが」
ミリアが言うには、ゴブリンたちは集団でゆっくりと移動するため、どうしても目につくことが多いのである。村人とはいえ、狩りを生業にしている人物がいるのならば、その存在を見逃すことはめったにないと言える。
ましてやあの数である、少なくとも50はいたであろう。
それほどの数が集団で動いていると見逃すほうが難しい。
そして見つければ南にリュトの町、さらにここから北にはフェルトという町があり、そこにも当然、領主に使える私設騎士団や冒険者ギルドがあり、そこに依頼を出せばこんなことにはならないはずである。
「それが分からないのです・・・いつの間にか襲われたとしか・・・」
「そうですか・・・やはりあれは見間違いではないのかもしれませんね」
「あれ・・・とは?」
つぶやくミリアの言葉を拾ったのか問い返す村長。
「おそらくはゴブリンリーダーと思われる個体がいました」
「ゴブリンリーダーですと!?」
「そういえば言っていたな、ゴブリンリーダーだとなんかまずいのか?」
ミリアの言葉に驚く村長と、特に何も思っていなさそうなコウ。
「ええ、コウさんも覚えているでしょう?暴食兎のことを・・・通常モンスターは個体で動きますが、統率個体がいることで動きが全く変わってしまいます。ただ集団で集まるゴブリンとは違い、ゴブリンリーダーがいるとそのゴブリンたちを指揮してその存在を悟らせないように動きますし、戦いでも指揮されるので厄介な存在でもあります。そしてリーダーとは、より上位の個体に任命されて進化しますので、より上位のゴブリンがこの近くにいるのでしょう」
「上位のゴブリンだと?」
「そうです。確認されている個体はロード、ジェネラル、キングといったところでしょうか。ロードであればまだ若い個体であり、進化したばかりで付け入るスキは多く、その群れもそこまで大きくはありません・・・ですが、キングとなると年を経ただけあって老獪な戦い方をし、中には魔法も使うことがあります。それだけでなく、側近としてジェネラルを侍らせており、より討伐は困難で、また、その群れの大きさもロードの比ではなく、最低でも500はいるかと」
ミリアの説明に、コウはさすがだなと少し場違いな感心をしていた。
村長は顔を青ざめさせ、がたがたと震えだしている。
一介の村長では解決不可能と言えるレベルの出来事である。
「隊商が村に着いたら相談しないといけませんね、まずはここにとどまらずに北へ抜けるか、リュトに戻るか・・・そのあと北と南の両領主に討伐依頼を出さないといけません」
なんだか大事になってきたな、そう思いゴブリンが去って行ったほうを見やる。
いかがでしたでしょうか、これはまだ前哨戦。ここからが本番・・・ですが次いつ書きあがるか・・・(汗
のんびりとまっていてくれるとうれしいです。




