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戦い終わって

本日分です、毎日更新が厳しくなってきたので、プロローグの前書きの不定期更新が現実味を帯びてきました。

 コウがつぶやいたと同時に、クマウサギの巨躯が倒れる。

 ズズゥン!と、その巨躯が倒れるとしばしの沈黙が流れた。

 しかし、その脅威がなくなったとみるや、防衛陣の中から歓声が上がる。


「「「「「「うおおおおおおおっ!!」」」」」」


 中には、素手であのモンスターを討伐したことに困惑しているものもいるが、たいていの人間はコウの成し遂げたことに歓声を上げ、喜びの声を上げる。

 その声を聴きつつ、血まみれになったコウは、内心どうしようかねこれと自分の格好と、倒れたクマウサギの遺体を見やる。

 そこへ、アーネストが近づいてきて笑いながら話しかけてくる。


「がっはっはっは!!さすがだな、コウ!まさかとは思ったが一人で倒してしまうとはなぁ!」


 そういうアーネストの後ろについてきたミリアに


「コウさん、少し失礼しますね『スプラッシュ』」


 ミリアが唱えたのは水の魔法で、なかなかに強めの水流で、コウの体を洗い流す。


「ぷわっ・・・なかなか豪快だな」


 その水流にコウの体の汚れはきれいさっぱりだが、ぐっしょりしているのに変わりはない。


「続けますよ、『ウォームブリーズ』」


 その言葉とともに来たのは温風で、まるでドライヤーのような効果だなと聞いてみたところ、この魔法は過去に現れた迷い人の一人が開発、布教した魔法であり、一般の人間でも大抵の人間は使えるように改良されているらしい。

 話を聞いてるうちにすっかりと服も乾き、なんだかパリッとしている気がしないでもない。

 ほんと魔法は何でもありなんだなと、感心しきりのコウ。

 そこへ、治癒がひと段落したのかアルメリアが駆け寄ってきて、そのまま飛びついてくる。


「コウさん! すごいです、すごいです!さすがコウさんです!」


 ものすごく目を輝かせて飛びついてきたアルメリアをさすがに避けるわけにもいかずそのまま抱き留め、その勢いでクルクルと回る。

 その様子を見ていた騎士、冒険者の何名かはぎりぎりと歯ぎしりしており、何やら怨嗟の声が聞こえてくるような・・・。


「お嬢様、はしたないですよ」


 そうミリアがたしなめるまで、アルメリアはコウに抱き付いたまま「すごいです」を連発していた。


「お嬢の言葉じゃないが、ほんとにすごいことだぞ、コウ」

「そうかね?おっさんのほうがよっぽど強い気がするが・・・」


 アーネストの言葉にそう答えるが、


「そういってくれるのは嬉しいがな、おそらく俺では力負けしたであろうな」

「そんなにやばいやつだったのか、あれは」


 コウはアーネストから、この世界でのモンスターランクといったものを教わり、いかに今のモンスターが危険だったか、そしてコウが成し遂げたことがいかにすごいことかを語る。


「コウはこれからどうするんだ?できればこのままリュトの町に残って俺とともにカインを支えてほしいものだが・・・」

「さすがにそれはな・・・拠点ができるのはありがたいことだが、まずは世界を回ってみたいしな」

「そうか・・・、とりあえず館に戻ってからだな」

「団長、あの魔物の処分は騎士団に任せても平気でしょう、我々は戻って報告するべきかと」


 ミリアの言葉に頷き、騎士たちにここを任せることにし、アーネスト、ミリア、アルメリア、コウの4人は館へと戻り、カインに報告をすることに。


 館の執務室で仕事をしていたカインに、今起きていたことを話すと


「ふむ、なぜそんな変異種が・・・それに統率個体も4体いたのだろう?」

「そうだな、いろいろと分からんことは多いが、おそらく森にいたであろうウサギどもは統率されてたこともあって全滅させることができただろう!」

「なるほど、確かにそれは大きいな」

「そうですね、南の山脈のほうまで攻略が進むかもしれません」

「うむ、もしかしたら鉱脈の一つでも見つかるかもしれんな!がっはっは!」

「わからないことは多いが実りも多いか・・・とりあえず冒険者ギルドの方にも通達はしておこう」


 そこで話をいったん切り、カインはこちらに顔を向けると、


「コウ君、君がいてくれてほんとによかったと思っている、アルメリアのこともそうだし、森の変異種は恐らく君がいなければ相当の被害が出ていたと思うよ・・・」

「そうだな、最悪俺が相打ちに持ち込むということもあったかもしれんな! がっはっは!」

「笑い事じゃないだろう・・・とにかく、我々は君に大きな恩ができた。君には感謝をしてもしきれないが・・・本当にありがとう」


アーネストの冗談に呆れたように呟き、コウに向かってお礼を言ってくるカイン。


「コウさんはこれからどうするのですか?」


 そこへ、ミリアがコウに今後のことを聞いてくる。


「そうだな・・・。ここはファルジア王国だったか?の王都っていえばいいのか、まずは中心地だな、そこへ行ってからまた考えるかね・・・」


 そう考えながらつぶやくコウに、


「それなら、この街で冒険者登録をしておくといい。身分の証明にもなるし、我々が推薦しておけば、ある程度の便宜は測ってくれるだろうし、メリットは多いと思うよ」


 カインがそう進めてくる。

 もともと冒険者登録はしておこうと思っていたから否はない。


「そうだな、身分証明にもなるならぜひやっておきたいな」

「そうするといい、王都までの路銀もこちらで用意しよう、この街を救ってくれたといってもいいくらいだからね、いささかお礼というには少なく、申し訳ないが・・・」

「かまわないさ、アルメリアに会わなければ、サバイバル・・・野外活動を余儀なくされていただろうからな、こちらにとってもプラスになったことも多い」

「そういってくれると助かるよ。とにかく、今日はもう疲れただろうからね、食事をとったら休むといい。冒険者ギルドにはこちらから伝達しておくから、明日で大丈夫だろう」


 話を締めくくるカインに、他のみんなは首肯し、移動する。

 いつの間にか外は夕闇に包まれようとしている時間のようだ。

 食事をとっても、いささか休むには早い時間だがコウは少し追加で鍛錬すればいいかなと思った。

 森の討伐成功のお祝いか、なかなかに豪勢な食事であった夕食を食べ、鍛錬をし、汗を軽く流した後はベッドに入り、休むことにする。

 また汗を流す際、この世界にも風呂があるのに驚いたものだが、これも過去の迷い人が広めたとのことだった。

 コウは話を聞くたびに、割と神とやらはこっちに人を送り込んでるんだなと思ったものだ・・・。


「思ったよりここは前の世界に近い利便性があるな・・・迷い人の恩恵か・・・いったい過去何名の迷い人がいたのやら・・・」


 そう考えているうちに、意識は沈む。



 



いかがでしたか?今回は特に面白味はないかなあ・・・


次回でおそらく、リュトの町を旅立ちます。

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