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暴食兎(グラトニーラビット)

昨日の23時に1話更新しています、まだの人はそちらを~


そして今日の分です、どうぞー

アルメリアにびちゃびちゃにされたTシャツをどうしようかと思って悩んでいると、


「まったく、いったい何をしたんだ?死者が生き返るなどと聞いたことがないぞ!」

「本当に、これが迷い人の力というのでしょうか・・・とりあえずこれに着替えて下さい」


 嘆息しながらもロザリンドの無事を喜び、嬉しそうな声音のアーネスト、そしてミリアから着替えだろう上着を受け取り、さっと着替える。

 その際、視線を感じたが気にしないことにして説明をする。


「あれは心肺蘇生という、元の世界で割と有名な蘇生術だな、俺もうろ覚えだったんだが・・・」

「蘇生術・・・死者を生き返らせる術が当たり前に普及していたというのか!?」


 コウの言葉に驚きを隠せないアーネストだが、コウはそれに補足することにする。


「どんな死者も生き返らせるわけじゃないぞ?損傷が激しい遺体は無理だし、死んでから時間がたっててもだめだな」

「なるほど、お嬢様の治癒魔法があったからこそ可能だったということですか」

「あとはやられてから時間はそう経っていなかったんだろうな」


 そこでひとまず話は一段落したので、アーネストに問う。


「おっさん、ウサギはまだ大丈夫なのか?」

「おお、報告を聞く限りでは、森の中で散会して、各々時間稼ぎをしているようだ」


 コウの問いに、先ほど報告を受けた内容を簡単に話してくれる。


「だがそろそろ、騎士団の連中も集まってくるころだろう、俺も準備しておくとしよう」


 アーネストはそういうと、防衛陣の前へと進み、己の横に得物である大剣を突き刺し、腕を組み待機する。


「団長、どうやら騎士の点呼がとれたようで、全員戻っているようです」


 そうアーネストに告げるミリア。

 騎士たちがうまいこと攪乱し、戻ることができたのだろう、そしてその報告を聞いたアーネストが、


「リュトの町が誇る騎士たちよ!ウサギどもに後れを取るなよ!!」


 大剣を引き抜き、空に振り上げ、そう一喝し、後方の騎士たちを鼓舞する。


「「「「「「「うおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」」


 騎士団長の大きな声に負けじと大声で自らを鼓舞すると、森の奥の方から騎士たちに呼応するかのように、ウサギの鳴き声が聞こえる。


「「「「「「「「じゅらあああああぁぁぁぁあぁ!!!!」」」」」」」」


 向こうにも統率する個体がいるためだろう、まるでこちらと変わらぬように鬨の声が上がる。

 そして、森一面から犬サイズ位のうさぎがこれでもかというほど大量に飛び出してくる。


「来るぞ!まずは俺が先陣を切る!」


 そう叫ぶと、アーネストは一人突出し、


「『ストレングス』!」


 己に身体強化魔法を使い、体を横にひねり、1周して前が見えるほどに限界までねじると、


「食らうがいいわ!!『轟破刃』!!!!」


 一気にその大剣を振りぬくと、アーネストの前方180度に横一線、巨大な斬撃が飛ぶ。

 その一撃に、体を真っ二つにされる大半の暴食兎グラトニーラビット、しかしそれを潜り抜けたウサギたちが、防衛陣前に展開していた騎士たちと交戦を始める。


 各騎士たちも剣と盾を持ち、奮戦しているが、やはりというか、ア―ネストと、ミリアが特に活躍している。

 アーネストはその身の丈ほどの大剣を一度ふるうたびに、数匹、十数匹といった数のうさぎを仕留める、対してミリアはコウとの模擬戦の時に使った魔法か、ウサギ以上の素早さで移動し、一匹一匹確実に仕留める。

 コウはその様子を見ながら、広く視野を持ち、苦戦している騎士を見かければ、援護し、または直接撃破していった。

 騎士たちは負傷すると、一度陣まで後退、冒険者ギルドの治癒魔法士や、アルメリアに治療をしてもらい、待機していた冒険者たちとと交代することで、数の不足を補っていた。


 どれくらいの間戦っていたのだろうか・・・やがて、ウサギの波が減り、徐々に下火となっていく襲撃に終わりが見えてきており、騎士たち、冒険者たちの緊張もその疲労から途切れつつあった。

 それを狙っていたのか、森の奥からさらにウサギが飛び出してきた。

 おそらくは、例の統率個体であろう、イノシシほどのサイズのうさぎが『4体』。


「な、ばかな!統率個体が4体だと!?」

「団長!一体は私が!」


 と驚愕しつつも、戦闘の意志を再燃させ、ウサギ(大)に立ち向かうアーネスト、ミリア。


「コウ!1体は任せるぞ!」


 そういってアーネストは2匹固まっていたとこに向かって飛び出し、その大剣をふるう。


「「ごぎゅるあああああああああああ!!」」


 その大剣に一刀のもとに切り伏せられる、と思いきや、その大きな口と牙でアーネストの大剣を受け止めたのである。


「ぬうっ!?」


 そのことに驚いつつも、さらに力を籠め、受け止められたウサギごと大剣をふるい、もう1体に向かって叩きつけた。


「「ぎゃるあああっ!!」」


 そして口から大剣が解放されたのを確認するや、そのまま距離を詰め、1対2体とその大剣で仕留めていく。


「なかなかやるではないか・・・コウは大丈夫ろうが、ミリアは・・・」


 と、そのままミリアが相手をしているだろう方に目を向けけ、いつでも援護に向かえるように構える。


 ミリアは、苦戦はするものの、その動きの速さと、的確な一撃で、確実にダメージを蓄積させ、弱らせていった。


「はっ!」


 と動きが鈍ったところをその突剣にて、脳天を貫かれ絶命するウサギ(大)。


「ふ、いらん心配だったようだな・・・」


 無事ウサギにとどめを刺すミリアを見て、苦笑し、そういえば、とコウの姿を探す。


「・・・何をやっとるんだあいつは」


 コウは、周りが落ち着いたのを確認したのか、『遊んでいた』。

 イノシシ大のうさぎの体重は何百kgとあるだろうその巨体を、蹴りあげてまるでボールの様に扱っており、落ちない様に連続で蹴り上げるその姿はまるでそれはサッカーのリフティングのようであった・・・ボールはでかいが。

 コウ本人としては、魔力の扱い方の練習のための実戦訓のつもりで、魔力を使った身体強化魔法を使い、どれくらいの効果があるかなどの確認作業であったのだが、周りから見ると、遊んでいるようにもみえ、騎士たちから畏怖の念をこめた眼で見られていた。

 とどめは蹴り上げと同時に飛び上り、浮かび上がったウサギをけり落とすと、地面にめり込み、動かなくなった。

 そして一息つこうとした瞬間、森から巨大な殺意とも取れるべきモノがこちらに向かって飛んでくる。


「おっさん!」


 注意を促すコウの叫びに、


「わかっておるわ!」


 すでに気づいていたのだろうアーネストも警戒を高める。

 すると森の奥からできてきたのは、3mはあるであろう2足歩行の熊・・・サイズのうさぎであった!


「なんだ、あれは・・・あんなもの見たことないぞ!!」


 ざわめく騎士、冒険者たちに、


「落ち着きなさい!・・・おそらくは変異種・・・といったところでしょうか」


 そう答えるミリアの額にも冷や汗が浮かんでおり、あれがよほどの相手なのだと表情が物語っていた。


「変異種か・・・ものによってはAランク指定のモンスターだろうな」


 アーネストにとっても厳しい相手なのか難しい顔をしている。

 そこへ、アルメリアが大きな声を上げた。


「みなさん!大丈夫です!なんて言ってもこちらにはコウさんがいるんですから!」


 と聖女でもあるアルメリアの言葉に、その視線を追ってか、こちらを見てくる一同。

 中には、あんな奴がどうにかできるってのか?などといった声も上がっているが、アルメリアのご指名なのだ、コウは歩みを進め、クマウサギの前にその体を進める。

 すると、こちらを敵と判断したのか、クマウサギが雄たけびを上げる。


「ぐる・・・ぎゅるううううううあああああああああ!!!!!」


 その声は防衛陣の中にいた騎士、冒険者の大半を震え上がらせ、恐慌状態に陥っていたが、ミリアやアルメリアの言葉で、落ち着いた様を見せた。

 その様子を見ていたコウは、クマウサギをふり仰ぎ、


「どうやらお前の相手は俺らしいぜ」


 と、さすがに前の世界でこんな巨大な生き物とは戦っておらず、少し楽しみなコウはそういうと、その鋭い目でクマウサギを睨みつけ、構えた。

 



 


 

さて、次回は暴食兎の変異種という大型モンスターとの激闘!(予定)


コウハカツコトガデキルノカー!?(棒読み

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