聖女様
ちょっと遅れてしまいました、もうしわけない。不定期更新って書いたのに毎日がんばる現状。
サブタイは思いつかなかったのでそのうち変更の予定。
サブタイ変更しました
あと以前投稿したのもちょいちょい修正してます、たとえば、以前アルメリアの名前を知らない時、女性と描写してましたが、設定は17くらいなので少女に変更といった具合に・・・
コウ、アルメリア、アーネスト、ミリアの4名は町の南門を抜け、名もなき森前に展開されている防衛陣に足を踏み入れた。
すると、そこにいた騎士たちの緊張が団長の姿を見ることで若干ゆるむ。
それに目ざとく気付くアーネストが、
「気を緩めるな!!ここが最終防衛ラインだぞ!!」
「・・・!!」
普段の陽気な感じはなりを潜め、いかにも騎士団長といえる姿が見れたことに、コウは感心した。
「へぇ、さすがの貫録だな・・・」
「伊達にこんな最南端の、しかも名もなき森の目の鼻と先にある町で騎士団長はやってませんよ」
コウのつぶやきに気づいたミリアが声をかけてくる。
防衛陣の中に救護所というべきか治療を行っている場所があるが、そこの状態が思っていたよりもひどかった。
暴食兎にやられたのか、何名かの騎士が横になっている。
その状態がまたひどく、包帯まみれで息ははあるのだが、かじられた・・・なんてかわいいものではなく、まさにごっそりと肉をかみちぎられたのか、包帯が巻かれている腕や足の一部分がへこんで見える。
そこへ、アルメリアが駆け付けていき、特に状態のひどい者から治癒魔法をかけていく。
「ひどい・・・今、治しますね、『リカバリー!』」
その様子を見ていたコウは、アルメリアの周りに、うっすらと魔力が視認できることを確認した。
コウがやったものとは比較にならないが、確かに魔力をまとっており、その魔力はキラキラと輝き、やがて治癒対象である騎士の一人を包み込む。
「なん・・・だと?」
その効果を見たコウは、驚きを隠せなかった。
やがて魔力の光が霧散したかと思うと、そのあとにはまるで何事もなかったのように眠る騎士がいた。
その騎士は両手両足をやられており、死んでいてもおかしくないはずだったが・・・と目を疑った。
「あれがアルメリアお嬢様の力ですよ、怪我の類であれば、どんなにひどくても一瞬で治してしまうのです、例外はもう亡くなっている場合・・・ですね」
コウの様子を見て、ミリアが説明をしてくれる。
「とんでもないな・・・なるほど、確か『聖女様』だったな」
「『聖女様』、なんて二つ名がついてしまうのもわかるでしょう?」
「治癒魔法はみんなあんなものじゃないのか?」
比較対象が分からないため、ミリアにそう聞いてみるコウに、
「とんでもないです!普通の治癒魔法士はあれほどの怪我だと止血が精一杯でしょう」
「そうなのか?」
「ええ、治癒魔法というのはイメージが難しいのです、私も怪我をしても血を止めるのが精々です」
魔法はイメージさえできれば大抵のことはできるらしいが、そのイメージが難しいのだろう。
ふと、アルメリアがどういうイメージをもって治癒魔法を使っているのかと思った。
そのことを聞いてみると、アルメリアはこう答えた。
「怪我は治るものでしょう?私の魔法はそれを手助けしているだけです」
どうやら人間の治癒能力を最大限にまで引き伸ばし、治癒をしているようだ。
そのやり方だと、ものすごく体力を消費するはずだが・・・魔法だからな・・・。
と半ば無理やり納得しておくことにした。
アーネストは今まであったことの報告を受けているようで、少し手が離せなさそうだ。
ミリアはその補佐についており、アルメリアも治癒で手いっぱいだろう。
なんとなく手持無沙汰で防衛陣の中を歩いていると、陣の中央から、ざわざわとした喧騒が聞こえてきたので、戻ってみると陣の真正面の森から騎士が数名戻っており、そのうちの一人が仲間の一人ををかかえて戻ってきたらしい。
「アレク!ロザリー!」
戻ってきた騎士の中にアルメリアの護衛だった二人がおり、そのアレックスがロザリンドを抱えて戻ってきたようだが、アレックスはまだしも、ロザリンドの状態がひどかった。
手足はかみちぎられて、かろうじてつながっているものの、もはやその損傷では・・・
「お嬢様・・・ロザリンドは・・・申し訳ありません」
アレックスはうつむき唇をかみしめている。
その言葉に、アルメリアが二人に駆け寄り、ロザリンドの様子を確かめると、
「うそ・・・いやぁ・・・」
と首を振り、涙を流すアルメリア。
「・・・申し訳・・・ありません・・・」
再度謝るアレックスだが、もはやアルメリアは聞いておらず、そのロザリンドの亡骸に縋り付き、泣き喚いていた。
愛称で呼んでいたのだ、おそらく親しい間がらだったのだろう、その嘆きは深かった。
「ウサギどもめ・・・絶対に許さんぞ・‥!!」
近くに来ていたアーネストからものすごい怒気が放たれる。
おそらく無意識のうちにスキル『獣王の威圧』発動しているのだろうが。
その怒気に感化されたかはわからないが、縋り付いていたアルメリアから魔力の気配。
どうやら治癒魔法をかけているようだが・・・
「お嬢様!いけません!反動が!!」
ミリアが大声を上げる。
「反動?」
おうむ返しに問うコウに、ミリアが怒鳴るように説明してくる。
「さっきお嬢様の魔法は死者には効かないと言ったな!?この世には魔法の効かない物質、対象がいる、その対象に魔法を使えば魔力が直接術者にダメージとなって帰ってくるのだ!」
その言葉を証明するかのように、アルメリアの体に、どういう原理か、刃物で切り付けられたかのように裂傷ができている。
「お嬢様!おやめください!」
ミリアが再度止めようとするが、自分の体を治しつつ、ロザリンドの体に治癒魔法をかけ続けているようだ。
やがてアルメリアの周りにどんどん魔力が集まり、少し前のコウのように身体に濃密な魔力をまとうアルメリア。
「ああああああああああああああっ!!!!」
泣いているような、しかし治すという確固たる意志を持った叫びをアルメリアが上げると、体の周りの魔力が一層強く輝きを放ち、魔力がロザリンドの体を包み込み、さらに光を放つ。
やがて光が収まると、そこには傷一つないロザリンドの身体。
「おおおっ!」
まわりにいた数名の騎士たちが驚きと、そして歓喜の声を上げるが。
「・・・そんな・・・いやぁ・・・」
まだ嘆きつづけるアルメリアに、みな困惑する。
そこにミリアが近づき、ロザリンドの体を確かめ、さらに胸元に手を当てると
「身体は治っていますが・・・どうやらそれだけのようです・・・」
その言葉に、騎士達からも、嘆きの声が上がり始める。
どうやら体は治っても、生きていない状態、つまり心臓が止まっているのだろう。
この世界は魔法があるからか、医術が発達していないようだ、心臓が止まり、死んでいることが分かっても、それで完結してしまうようだ。
嘆息し、コウはロザリンドに縋り付いたまま泣き続けるアルメリアに近づき、
「あまり、期待はするなよ・・・」
コウは、身体が治っているのなら、心臓が動けばいい、つまり、心臓マッサージをすればいいと考え、ロザリンドに心肺蘇生と電気ショックを行うことにする。
「コウしゃん・・・?」
涙と鼻水でぐっしゃぐしゃになっている顏でコウを見上げるアルメリアに、
「少し離れていろ」
一体どれくらいの時間がたったか、どれくらいならダイジョブだったかなどもはやうろ覚えだが、いまはそんなことを考えている暇はない。
電気ショックは魔法で何とかなるだろう、イメージで何でもできるみたいだしな。
そしてロザリンドの胸に両手を当て、ぐっぐっリズムよく心臓マッサージを開始。
それを見たアレックスがなにを勘違いしたのか、
「貴様!ロザリンドの遺体を辱める気か!」
などとのたまい、剣を抜き斬りかかろうとしてくる。
それをアーネストが大きな手でアレックスの頭をがしりとつかみ、
「少し黙っていろ、アレックス」
「団長!?ですが!」
などと問答が始まったが、邪魔をしないならとかまわず続ける。
そして30を超えたところで、電気ショックを発動。
「ドン!」とロザリンドの体が跳ねる。
「なっ!?」
後ろから何か聞こえるが、続けて心臓の鼓動を確かめる。
「ダメか、もういち・・・どっ!!」
掛け声とともに再度電気ショックを発動させる。
またもロザリンドの体が跳ねる。
「かはっ」
ロザリンドの口から確かに聞こえたその声に、ざわつく騎士たち。
もう一度確かめると心臓が動いており、やがて呼吸も戻り、容体が安定したのを見て、
「ふう・・・どうやら何とかなったようだな」
と一息つくと、
「コウしゃん!」
とアルメリアが飛びついてくる。
「こうしゃん!こうしゃん!ありがとうございましゅ!」
ぐりぐりとコウのおなかに頭を擦り付けるアルメリア、なにやら幼児退行しているアルメリアの言動に苦笑を一つしてアルメリアの頭をなでてやる。
アーネストとミリアはともかく、騎士たちはあんぐりと口を開けて呆然としている。
「まったく、コウは何でもありだな」
「そうですね、もうすごいとしか言いようがないです」
そういってコウと同じく苦笑をするアーネストとミリア。
しばらくして落ち着いたアルメリアが離れると服がびっちゃびちゃになっていて、それを見たアルメリアが顔を真っ赤にしてうつむき、
「・・・ごめんなしゃい・・・」
と、まだ幼児退行したまま謝った。
いかがでしたでしょうか、聖女アルメリアの活躍と覚醒?と現代知識のコウのチートっぽい活躍ですね。次回はうさぴょん達との戦闘回かなとおもいます。




