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今日のショートショート〜掌短編集〜  作者: 高山小石


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02.目覚まし貝

 女は顔を輝かせて男を出迎えた。


「おかえりなさい! 出張、お疲れさま」

「ただいま。やっと帰ってこれたよ」


 男は恋人をぎゅっと抱きしめた。

 やわらかさに、戻ってこれたことを実感する。


「もうっ。惑星調査、どうだったの?」

「地球とは全然違ってた」


「どんな風に違うの?」

「見た目は似た生物が多いんだけど、実際は全然違うんだよ」


「もう! 詳しく聞きたいから、いいかげん離して」

「離したくない。まだ足りない」


「もぅ。ごちそういっぱい作ったんだから、食べてよね」

「食べる! あとから絶対食べるから、今は先に君を……」


「――きろ! 起きろー!!」


「……え、は?」



 男が目覚めたのは、見慣れた宇宙船の医務室だった。



「あれ? 彼女は? ようやく地球に戻れたんじゃ……」


「残念ながら、まだ惑星探査中だ」


「え」


「お前、危ないところだったぞ。『幻覚貝』と対を成す『目覚まし貝』が見つからなければ、ずっと目覚めないところだったんだ」


「幻覚?」


「いい夢を見ていたんだな。まだまだ任期は終わらないんだから、気をしっかり持てよ!」

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