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第93話 『竜の王と魔人の王』

迫力のあるその巨体が、竜王がどれほど強いのかを引き立てている。


「貴様、何をしている。俺の大事な仲間に何をしている」


竜王はその鋭い瞳で俺を睨み、低い声には憤怒の感情が籠っていた。


「ついに来たか。竜王」


すると、いきなり竜王が火を吹いてきた。

咄嗟に闇で盾をつくり、身を隠す。


「そんなのが俺に効くわけないだろ。ナメてるのか」


俺は竜王の目の前まで飛び、闇を放つ。

が、竜王の肌についている鱗が闇から体を守っていた。

その鱗はまるで鎧のような役割をしていて、鋼鉄のような硬さだ。

きっと力技では敵わないだろう。


「貴様如きの攻撃が俺に効くとでも思ってるのか?」


翼で仰ぎ、風を発生させ、俺は抵抗できずにそのまま吹き飛ばされてしまった。



「ぐふっ!」


地面に思い切り叩きつけられ、思わず情けない声を漏らす。


「ラングさん!」


チハルが俺の名前を叫びながら近づいてくる。


「だ、大丈夫ですか?」

「大丈夫、と言いたいところだが、なんでか体が動かない」


この状況はかなりまずい。

早く起きないと。


………でも、本当に動けない。


ここまで来て死んでたまるか。

俺には大切な仲間もいるからな。

そいつらのためにも、俺が死ぬわけにはいかない。


そんなことを考えながら必死に動き出そうとしてると、チハルが俺に向かって手を前に出してきた。

チハルの手から少しずつ青い粒子が流れ出てくる。

……これは、いったい……。

その粒子が俺に当たると、俺の体が青く光り出した。


なんだ、この感じ。

体が軽くなる。

こんなの初めてだ。

快感が一瞬で全身に染み渡る。


「今のは……なんだ…?」

「ラングさんの体力を回復しました。私はスキル『回復』が使えますので」

「そうか。助かった。後は俺が全部済ませるから離れとけ」

「は、はい。わかりました」



「余所見とは、俺もナメられたものだな」

「その口もすぐに訊けなくしてやる!」


俺は魔の左手を出し、手を巨大化させ、竜王を覆いかぶさろうとした。


「甘い」


竜王はそう口にすると、回転し、尻尾で魔の左手をかき消した。


「あああああぁぁぁぁ!」


想像を絶する激痛に襲われ、喉が張り裂けそうな叫び声をあげる。

だがその痛みも、一瞬で引いた。

見ると、左手は何事もなかったかのように元通りに再生していた。



威勢をはって、あんなこと言ったが、今は俺の方が不利だ。

どうすればいい。

考えろ、考えるんだ。


「どうした、もう来ないのか」

「…………」

「そうか。なら、そろそろ終わりにしようか」


竜王は翼を広げると、風を巻き起こしながら空を飛び出した。

いったい、何をするつもりなんだ?




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