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奴隷は魔王となり、復讐を決意する。  作者: 影月命
第8章「神国ヴェルスランズ」
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第88話 『堕天使』

「あいつ………」


そこには、ケリウスが呪いをかけていた天使が立っていた。


「っ!貴様、何をする!」

「強いからって偉そうに………俺はおまえに散々こき使われてうんざりしていた」


その声はさっきの明るい声をとは違い、暗く邪悪に満ちていた。しかもハキハキ喋らずにボソボソと喋っている。

顔自体は変わっていないものの、雰囲気がまるで違う。

性格まで変わっているのか。


「堕ちてしまったか……エデウス」


ん?どこかで聞いたことある名前だな。


「助けに来てくれたの?」


その言葉を無視して、エデウスは話を続けた。


「もうおまえの言いなりにはなんねえよ。俺はこいつらの仲間になる。その方がおもしろそうだからな」


エデウスは話を終えると、俺らを連れてその場から逃げ出した。


逃げて着いた先は、どこかの森だった。


雑に扱ってるから少し体が痛む。


「いてて、もう少し丁寧に扱えよ」

「知るか。おまえらの体が弱えだけだろ」

「それにしても雰囲気変わりましたね」


確かにそうだな。

呪いをかける前の面影はほぼない。

髪はボサボサで目にかかり、猫背になっている。

表情も暗い。

それに口調に悪くなっている。


「おまえらは俺に助けられたんだぜ?ちょっとは感謝しろよ」

「おまえ、あまり調子に乗るなよ!」


ケリウスが怒りに任せてエデウスの胸倉を掴む。


「………おまえ、昔どこかで見たことあるな」

「っ!………」


ケリウスの知り合いか?

ケリウスの知り合い………エデウス……。


「あ!」

「な、何よ。いきなり」

「何かあったんですか?」

「なぁ、あんたの名前ってエデウス・エレガレンスか」

「ん?なんでおまえが俺の名前知ってんだよ」

「やっぱりか。道理で聞いたことあるわけだ」

「なんで知ってるの?」


未だ理解していない様子のルシアとルーベスとレイナ。


「こいつらは昔、戦いあったことがあるんだよ」

「そうそう。で、こいつは俺の怖気づいて逃げ出したわけ」

「んだと!」

「喧嘩するな!過去の話だろ。エデウスも、あまり調子に乗るな」

「ちっ!うぜぇ」



「そういえばここどこだよ」

「知らねぇ。適当に着地したからな。あ、でも近くに『竜の里』があるのは見えた」

「竜の里か。よし、じゃあ、次はそこに行くか」

「何しに?」

「そこには竜王がいるはずだ。そいつを倒すことで、より強い力が手に入る」


「で、竜の里が見えたのはどこなの?」


ルシアの質問に、エデウスはめんどくさそうな表情で指を差した。


「北か」



俺たちは、エデウスが指差した北の方向に向かって歩き出した。



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