第78話 『アークロセリス王国』
「ここは……俺たちの世界……」
「どうやら全員あの世界から抜けることができたらしいな」
「?どうした、ルーベス」
「ここがラングさんたちの世界ですか!?」
「え、ああ、そうだけど」
「綺麗……空も青いし」
ルーベスは目をキラキラと輝かせながら周りを見ていた。
両手の指を重ねているルーベスも可愛い。
目をキラキラさせてるルーベスも可愛い。
仕草も可愛い。両手の指を重ねながら見ている。
「オーバーだなぁ、ルーベスは」
「この世界のことは初めてで新鮮なんだから当たり前でしょ?」
「じゃ、次のとこに行くぞ」
「え、次って。今からどこに行くんだよ、ラング」
「アークロセリス王国だよ」
「アークロセリスって、ルシアが言ってた国の?」
「そうだ」
「ラング、ルーベスの件はどうするんだよ?」
「そうだな…………もっと後かもな……これは俺の推測なんだけど、ルーヴェルは『魔人の国、カーセラン』にいると思うんだ」
「なんでだ?」
「噂で聞いたんだけど、闇族はこの世界に迷い込むと、擬人化して魔人族みたいになるらしいんだ」
「……なるほど!だから魔人の国の人たちに紛れて過ごしてると思ったのか」
俺は指を鳴らし、
「そういうことだ。だから魔人の国に行ったときにルーヴェルを探そうと思ってる。悪いなルーベス。ルーヴェルを探し求めるのはもっと先になりそうだ」
俺はアークロセリスに繋がる闇の渦を出す。
「この闇はアークロセリスに繋がっている。さっさと行くぞ」
「え、場所わかってるのか?」
「アークロセリスは俺たちがいた国、アルガレス王国の隣にある。だから一応だいたいの場所はわかるんだよ。それより、早く行くぞ」
闇の渦を抜けると、そこは街のド真ん中だった。
「ここがアークロセリスか」
みんなも次々と闇を抜けてくる。
なんか、色んな装飾品がついた豪華な服装しているな。
なんか見たことある気がする、あの人たちの服装。
えっと…………!あの服装は…
思い出した瞬間、怒りや憎しみ、恨みの心が、大きくなるのがわかった。
あいつら…貴族か。
てことは、ここは貴族街ってことか。
「ところでルシア、お前が言ってたアレフってどこのどいつだ?」
「アレフも私と同じ魔剣士だから、城にいると思うわ」
「城か……………」
いきなり見覚えのある男が俺の横を横切った。
あれ、なんだ。
いきなり怒りが増し始めたぞ。
手に拳を握り、何とか抑えることができる。
「おい、あんた」
気づいたのか、男は俺の方に顔を向けた。
こ、こいつは……!
俺は奴を思い切り睨みつける。
「どうした、ラング」
「あいつが……俺の母親を………!」
あいつのことは忘れもしない。
俺を絶望のどん底に追いやったあの男。
あの頃の負の感情が甦る。
絶対に許さない。
絶対に俺が…………殺してやる!




