第70話 『冤罪』
あれから時間が経ち、夜になっていた。
食後の後は部屋に戻り、ベッドの横になって、すぐに眠りについた。
目が覚めると、窓から光が差し込んでいた。
今日は目覚めの気分がいいわね。
なんかいいことがありそう。
バタンッ!
いきなりドアが激しく開く音が鳴り響く。
見ると、そこには私を睨んでる兵士が立っていた。
兵士が何人も入ってきたかと思うと、あっという間に私を囲い込み、捕まえた。
「な、なに?なによ!離して!」
「黙れ!犯罪を犯しておいて何を言う!」
「犯罪?なんの話?」
「とにかく来い!」
無理矢理部屋から引っ張られ、どこかに連れていかれ、国王の前に、雑に押し倒されてしまった。
顔を上げると、国王が私を腫れ物でも見るような表情をしていた。
なんで?
私、なんかした?
懸命に今までの行動を振り返るが、恨まれるようなことはしていない。
「私、何かしましたでしょうか?」
「フン、知っているくせに……」
「本当に知りません。教えてください!」
「今日の一時頃、街が炎上したそうだ。で、街に放火した奴を見たって人がいるんだ。その放火魔が、おまえだ」
「ええぇ!?冤罪です!私やってません!」
「信用できるか。だいたい、おまえは魔人族じゃないか」
「……………」
魔人族だから信用できないって言うの?
「そもそも、私が放火したのを見た人って誰なんですか?」
「この女だ」
見ると、そこにはアレフが立っていた。
ニヤニヤしながら私を見ている。
その瞬間、私は悟った。
私はこの女に冤罪をかけられたのだ。
多分、本当の放火魔はあいつで間違いないと思う。
「私じゃないです!あのアレフが本当の放火魔なんです!」
「フン、信用できるか。アレフがそんなことするわけないだろ」
「なんで……」
そういえば、アレフは表では優しい人を演じてたっけ。
「魔人族の言うことなんか信用できるか。いつかやると思っていたよ。まさか本当にやるとは」
「ち、違います!私じゃないって言ってるじゃないですか!」
「くどいぞ!お前等、あのルシアを追放しろ」
「「「はっ!」」」
兵士は私に近づき、抑えようとした。
捕まると牢屋に入れられる。
そう思った私は、私の腕を掴んだ兵士を押し倒し、その場から逃げた。
「あ、逃げたぞ!」
「なにグズグズしてる。追え!」
「「「は、はっ!」」」
後ろを見ると、何人もの兵士が追いかけていた。
「絶対に捕まらないからね」
私は来た道を引き返し、自分の部屋に向かった。
そこにあるものがからだ。
自分の部屋に入り、あるものを手に取ると、私は兵士がここに来るのを待った。
それから数秒経つと、兵士が何人も入ってきた。
そしてあっという間に囲まれてしまった。
「もう逃げられないぞ?」
「私が何のためにわざわざここに来たと思ってるの?」
「なに?」
「これを取るためよ」
私が手に持っているものは私の剣だった。




