第62話 『プテライド』
「色々と話を聞かせろ。お前はなんでそいつに追われてる」
「実は僕、昔僕を飼ってた人に裏切られて、追われることになりました」
今こいつ、『裏切られて』って言ったよな?
「わかった。俺がその『絶望の女神』とやらを殺してやるよ」
「本当ですか!?」
「ああ、任せろ」
「おいおいラング、いいのかよ。色々と用事を済ませてからの方がいいんじゃねえのか?」
「それはそうだが、こいつは今自分が裏切られたと言ったんだ。だから俺はこいつを見過ごすことはできない」
「なんだよ、それ」
「お前、名前は?」
「名前…?えっと………ないです」
「え、ない!?」
「はい、前の人にはつけてもらってません」
「あ、でも、種族名ならありますよ。僕、プテライドっていいます」
「名前がないのか……。なら、俺がつけてやるよ」
「いいんですか!?ありがとうございます!」
「ん~…………じゃあ…ルーベスなんてのはどうだ」
「ルーベス……いい名前ですね!」
ピコンッ!
いきなり何かが表示された。
何々……
―――――
名前をつけたことで『プテライド』との契約を完了いたしました。
―――――
え、契約?
もしかして魔物に名前をつけたら契約することになってんのか?
聞いてないぞ。
「どうやら契約してしまったようだな」
「え、お前、名前をつけたら契約できるって知ってたのか?」
「ああ」
当然だろ、とでも言いたげな表情をしている。
「なら、早く言えよ。俺知らないんだから」
「え、そうなの。すまん」
「………まあいい。あまり気にしてないからな」
「俺はラング。で、こいつがケリウスとルシアとレイナだ」
適当に自己紹介を済ませる。
「よろしくな。ルーベス」
「はい!よろしくお願いします」
その女神とやら、数分経ったけど、まだ来ないぞ。
もしかして、ルーベスを見失ったとか。
「なあルーベス、お前って何か攻撃とかできるのか?」
「はい。この羽は刃物のようになっていて、切ることができます。それに、口からあらゆるものを溶かす毒をはくことができます」
結構強そうな武器持ってんな。
「ちょっとやってみてくれよ」
ケリウスが岩を指差して言った。
「え、あ、はい」
ルーベスは羽を広げ、岩に向かって羽にある刃をあてた。
すると、岩は綺麗に切れた。
中々の切れ味だな。
次に口から紫色のドロドロしたものを岩に向かって吐いた。
あれが毒か。
毒が岩に付着すると、岩はジュ~ッという音をたてて溶け始めた。
毒からは煙がたっている。
「強力な毒だな。結構強そうじゃねえか」
「えへへ、そう言ってもらえると嬉しいです」
そんな会話をしていると、誰かがいきなり話しかけてきた。
「こんなところにいたんだねぇ」
振り返ると、そこには女がいた。




