第60話 『地獄の門』
歩いてから少し経つと、村にたどりついた。
木も多くなってきた。
「おいラング、あそこ」
ケリウスがどこかを指差して言った。
見ると、そこは森に続いているところだった。
雰囲気がまるで違う。
あの森から奥はまるで異空間にでも続いているようだ。
村の奴等はよくここで暮らすことができるな。
「あそこが、『悪魔の森』だな」
「入るのか?」
「当たり前だろ。俺たちはここに用があってきたんだ。中に入るぞ」
俺たちは森に向かって歩き出した。
森の中に入って数分、なぜか空は薄暗くなっていた。
静かな空間に動物の鳴き声が鳴り響く。
それが不気味な雰囲気を醸し出している。
「キャッ!」
ルシアが声を上げて、俺に抱き着く。
可愛い。
それに、こんな風に抱き着かれるのも悪くはない。
ルシアは結構怖がりなんだな。
ずっとルシアが俺の腕を組んでいる。
「こわいぃ~」
「大丈夫だ。雰囲気が不気味なだけで何もないだろう」
確か、あのおっさん、洞窟にあるとか言ってたな。
つっても、洞窟に繋がる穴なんてあるのか?
「あったわ」
「本当か!?」
見ると、確かに洞窟に繋がる穴が存在した。
でも、本当にここであってるのだろうか。
もしかしたら他にも洞窟があってそこに『地獄の門』があるのかもしれない。
でも、ここから確かめるか。
「真っ暗で何も見えねえぞ?」
「頭使え。火を出せばいいだけの話だろ」
手から火を出し、俺を先頭に洞窟に入り出した。
静かでこれまた不気味な雰囲気が漂っている。
「うわっ!」
いきなりコウモリの魔物が一斉に襲い掛かってきた。
一瞬で火で燃やし尽くしたが、こいつはちょっと俺でもビビるな。
見ると、ルシアが顔を青ざめながら体を震わせている。
相当恐怖を抱いているのだろう。
「なんだか不気味ね」
「さっさと調べて、なかったら次の洞窟で探そうぜ」
探し続けること数分。
「……ラング、あれ」
ケリウスが指差した方向を見ると、そこには衝撃的な光景が広がっていた。
なんだよ、あれ。
きっとあれが『地獄の門』なのだろう。
見た瞬間に直感で理解した。
門の周辺で既に雰囲気が違う。
こことの差が激しすぎる。
まさに地獄のような雰囲気。
赤いオーラを放っていて、見るだけで威圧を感じる。
「本当に行くのかよ、ラング」
「当たり前だ。そのために来た」
門に近づくと、ちょっと暑くなってきた。
だが、そんなの構わずに俺たちは門に近づいて行った。
「近づくとわかるけど、結構でかいんだな」
「無駄口たたくな。さっさと行くぞ」
閉まっている扉に手を触れると、扉が奥に向かって開き出した。
その瞬間、視界は白い光に包まれた。




