第59話 『亜人の国、リクスカ』
「ケリウス、ルシア、どこだぁ!」
あいつ、どこまで行ったんだよ。
探してから数十分が経過したところで、見つけることができた。
「なんだよ、ラング。あ、もしかして変えてくれるのか?」
小声で言ったつもりなのだろうが、多分レイナにはがっつり聞こえてるのだろう。
あからさまにケリウスを睨んでいる。
「違う」
俺はめんどくさがるように答えた。
「なら、なんで俺たちを探してたんだよ」
「そんなの、地獄の門の場所がわかったからに決まってんだろ」
「え、わかったのか?」
「そうだ」
「やったー!」
喜びすぎだ。
「実際にあるかどうかはわかんねえけどな」
「で、どこにあるって?」
「商売人のおっさんの話によると、その門は『悪魔の森』にあるらしい」
「悪魔の森?なんだよ、それ」
「その森の近くにある街でそう言われているらしいんだ」
「まずその悪魔の森ってのはどこにあるんだよ」
「リクスカって知ってるだろ?」
「ああ、亜人の国だろ?」
「そうだ。そのリクスカの近くにある森の洞窟にあるんだ」
空間に闇の渦を出す。
こっから先はリクスカの街に繋がっている。
亜人も魔人のように人間を嫌っている。
まったく、人間もどこまで嫌われれば気が済むんだ。
「亜人は人間は嫌ってるが、魔人は嫌ってないから、角を見せれば大丈夫のはずだ」
勢いをつけ闇の渦を過ぎると、そこにはもう別の街が広がっていた。
頭に猫や犬などのケモノのような耳がついた人がたくさんいる。
ここが亜人の国だということは確かだな。
街の奴等が俺たちに注目している。
いきなりワープしてきたから驚いているのだろう。
だが、そんなことはどうでもいい。
その『悪魔の森』とやらに行かないといけないからな。
「森はどこなの?」
「知らねえよ、訊くしかねえだろ」
俺は近くの亜人に話しかけた。
「なあ、訊きたいことがあるんだが、『悪魔の森』がどこにあるか知ってるか?」
「あ、悪魔の森だと!?も、もしかしてお前等、あの森に行こうとしてるのか?」
「ああ、だから訊いてんだろうが」
「やめといた方がいいって。これは噂なんだが、ある子どもが遊び半分で入って、それから二度と戻ってくることはなかったとか」
なんだよ、そんなの信じる奴がいるのか。
「そんな話はどうでもいいんだ。早く森がどこにあるかを言え」
「あ、ああ。そうだな。その森は……あそこだ!」
男が北の方向に指差す。
「なるほど………ありがとな。教えてくれて」
「場所わかったのか?」
「ああ、あいつのおかげでな。森はあそこにあるらしい」
俺たちは北の方向に向かって歩き出した。




