第58話 『情報収集』
「誰に訊くの?」
「誰でもいい。とりあえず二手にわかれて訊くぞ」
「誰と誰をわける?」
俺は適当にパパッと決めた。
「俺とルシア、ケリウスとレイナでいいだろ」
「えぇ、こいつと…?」
ケリウスがあからさまに嫌がっている。
「なんだ?嫌なのか?」
「いや、嫌じゃねえけど」
ケリウスは俺の耳に口を近づけて、
「あいつちょっと大人しいじゃねえか。俺ああいうのはどうやって接すればいいかわからんから苦手なんだよ」
結局嫌いなんじゃねえか。
「我慢しろ」
「えぇ、変えてくれよ」
俺はその言葉を無視してルシアとどこかに向かった。
「お、おい。待ってくれよ。話聞いてくれよ」
「私もラングとがよかった」
レイナがボソッと何かを呟く。
もっと声をでかくして言えよ。
ケリウスは心の中で愚痴りながら、仕方なくレイナと行くことにした。
「とりあえず商人にでも訊くか」
「なら商店街に行くのね?」
俺たちは商店街に向かい、店の前に立った。
「見ない顔だな。旅人か?」
商人のおっさんが俺に話しかける。
「まあそんなところかな」
「お前たち、金はあるのか?」
「今は持ち合わせていないな」
「なんだよ、金がないなら用はねえ。帰った帰った」
なんだ、こいつ。
今すぐ殺してやろうか。
俺は怒りをぐっと堪え、話を続けた。
「俺たちは用があるんだよ。あんたに訊きたいことがあるんだ」
「なんだ、言えることならなんでも言ってやるよ」
「地獄の門がどこにあるか知ってるか?」
「地獄の門?ああ、魔人族がいる世界に通じる門のことか」
「魔人族じゃない。いるのは闇族だ」
「闇族?知らねえな。それに悪いが地獄の門は知らねえ」
なんだこいつ。ただの無能じゃねえか。
「あ、でも俺の友人から聞いたことあるぞ。亜人の国のリクスカって知ってるか?」
「ああ、アキラセ大陸にある奴だろ?」
「そうだ。その国の近くの森にその門がある洞窟が存在するらしいんだ。その森は『悪魔の森』と言われているらしい。その森は不気味だから誰も近づかないとか聞いたな。あくまで聞いただけだからな。実際にそこにあるかはわかんねえ」
「いや、それを聞いただけでもかなり近づけたと思う。教えてくれてありがとな」
「ケリウスたちに伝えないとね」
「ところでお前等、そこに何の用があるんだ?」
声からして見なくても、男が俺たちを睨んでいるのがわかる。
「それをお前が知る必要があるのか?」
「いや、別にないが……ただ気になっただけだ」
「どうしても知りたいのか?」
声を低くし、殺気に満ちた目を男に向ける。
「………いや、断っておく。そこまで問い詰めねえよ。変なことには関わりたくないからな」
「……そうか。命拾いしたな。ルシア、行くぞ」
「そうね」
俺たちはその場から離れ、ケリウスたちを探しに向かった。




