第57話 『どこに行くって?』
「…………は?」
「ん?どうした?」
「どこへ行くって?」
「だから地獄だよ」
「……え、もしかして、死ぬってこと?」
「違ぇよ。地獄の世界に行くんだよ」
みんなの表情からしてまだいまいちよくわかっていないようだ。
「お前等『グルギヴァ』のこと知らないのかよ」
この名前を聞いてようやく理解したようだ。
「ああ、ようやく理解した」
「なんでそこに行く必要があるのよ」
「あの世界には闇族がいるだろ?」
「そうだな」
「そいつらを皆殺しにするためだ」
「え……ちょっと待って」
「なんだ」
「なんで皆殺しにするのかがわかんないんだけど」
「闇族は俺の復讐相手の一人だ」
「種族だから一人じゃないんだけど」
ルシアがなんかボソッと何かを呟く。
よく聞こえなかったな。
闇族は、悪に染まった性格の種族だ。
闇族にいいやつなんていない。
奴等は、たまに出る時空の歪みで一人くらいこの世界に迷い込むことがあるんだ。
その度に人が襲われるんだ。
人間にとって闇族は魔人族となんら変わらないらしい。
だから魔人族も悪に染まった性格の奴等だと人間は勝手に思い込んでる。
俺がこんな目に合うのも闇族が関連している。
だから俺は闇族にも恨みを抱いてるんだ。
「後ついでに呪剣でも手に入れるかな」
「呪剣?」
「『狂魔の呪剣』だよ」
『狂魔の呪剣』
その剣で切られた者は魔力が暴走し、あらゆるものを破壊でき、強くなることができる。
主に自分に攻撃するための剣だが、使いようによっては他人に攻撃した方がいいこともある。
魔力暴走しすぎると、肉体も暴走し、爆発して消滅する。
それを活かして相手を切ると、爆発させることができる。
ちなみに剣を使ってる人が魔力の暴走具合を調節できる。
「行き方はわかってんのか?」
「知らねえよ」
「いや、なんで知らねえんだよ!よくそれで行こうと思えたな」
「誰かから情報を得ればたどり着けるだろ」
ルシアが手をあげる。
「あ、私、行き方知ってる」
「「マジか!?」」
思わずルシアに歩み寄る。
ルシアは手を前に向けながら、
「ちょ、落ち着いて」
「あ、すまん」
「で、どうやって行くんだ?」
「昔噂で聞いたんだけど。どこかの洞窟の中に『地獄の門』があるらしいの」
「地獄の門、か」
「その門がある洞窟はどこなんだ」
「期待させて悪いんだけど、私が知ってるのは行き方だけよ」
「なんだよ」
「やっぱり情報収集が必要だな」
「街の人に訊いてみる?」
「そうするか」
俺は空間に人が通れるほどの大きさの闇の渦を出す。
この闇の渦はここから一番近い国の街に繋がっている。
「行くぞ」
闇の渦を超えると、賑やかな街が広がっていた。




