第53話 『スランガの家』
俺たちはあれから、森を抜け、スランガの家に向かった。
ちなみに森は焼け野原となってしまった。
まあ、別に俺は関係ないからどうなったっていいんだけどな。
「そういえばちゃんと魔石は持ってきたんだろうな?」
「当たり前だろ?一番必要な奴なんだから」
ケリウスが魔石を三つ見せながら言う。
俺は安堵のため息をついた。
「左手が手に入ったのはいいんだが、気体のようなものだからか、物とか掴めないんだよね」
「そんなこと言われてもな……」
「あ、そうだ。手袋つければいいんだ」
「手袋?そんなものどこにあるのよ?」
「スランガ、お前に家にあるか?」
「え、ああ、あるけど」
「なら、それくれよ」
「わかったよ。どうせ、ダメだと言っても痛い目見るだけだろうしな」
家につき、中に入る。
「へぇ~、意外と普通なんだな」
二階建ての一軒家。
よくもなく、悪くもない。
「こっちだ」
スランガについていき、部屋にたどりつく。
俺たちはソファに座った。
「ちょっと待ってろ」
スランガはそう言って、部屋を出て行った。
手袋を探しに行ったんだろう。
周りを観察していたが、ぱっと見殺風景だ。
この部屋の内装はテーブルとソファが二つだけだ。
すっきりしすぎているな。
なんか落ち着かない。
俺的にはもう少し物があった方がいいと思うんだが。
「……あ、そうだ。ルシア、訊きたいことがあったんだけど」
「ん?何?教えて?」
「お前の属性ってなんだっけ?一応強さとか知ってた方がいいと思うんだ」
「そうね。私は雷属性。雷を降らせたり、手から電気を出したり、自分自身が雷になることもできる。その状態なら、移動も速い」
中々強そうだな。
てかスランガの奴、遅いな。
まさか逃げたわけじゃないよな。
できないと思うけど。
「待たせたな」
そんなことを考えてると、スランガが戻ってきた。
「ほら、手袋」
スランガがいきなり手袋を投げてくるから、少し焦ってキャッチした。
黒い手袋か。まあいい。
俺は手袋を左手にはめ、手の感覚とかを確かめた。
「……うん、いい感じだな」
スランガは奥のソファに座り、俺たちを見つめる。
「じゃあ、話をするか」
「話って何を」
「色々と訊きたいことがあるんだよ」
「なるほど、なんでもいい。言ってみろ」
「まず、なんでお前等が兵器を必要とするかだな」
「簡単なことだ。アルクスカ大陸を支配するためだ。兵器を使って一気にアルクスカ大陸に住んでる奴をぶっ殺す。そしたらそこに魔人や魔物を連れ込んで、俺の理想郷を作る」
「理想郷……か。それを作るのがお前の目的か。で、その兵器を作って俺に何の得がある」
どうせ殺されるんだから、無駄なことなんだよな。
「あるわけねえだろ!作ってもらったらそれでお前の役目は終わりだ」
「………そうだった。俺はもうお前の奴隷みたいなもんだったな」
それ以上、スランガが俺に質問をすることはなくなった。




