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奴隷は魔王となり、復讐を決意する。  作者: 影月命
第5章「錬金術師の最強兵器」
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第52話 『魔の左手』

アリアが持っていた剣は空を舞い、地面に突き刺さる。


後ろにはルシアがなぜかこっちに手を向けている。

アリアは風を起こしながら空を飛んでいた。


「危なかったな。何か嫌な予感がしたんだよ」

「ケリウス、まさかお前が来るとは思ってなかった」


自分から涙が流れているのがわかった。

なんか、久しぶりに涙を流した気がする。

この涙は、どんな感情で流してるのか、わからない。

悲しいから?苦しいから?それとも嬉しいから?

わからない。

でも、涙を流してるってことは、このどれかだろう。



まさか、俺にまだこんな感情が残ってたとわな。


でも、俺は強くならないといけない。

こんな感情があると、俺は強くなれない。


だから、この感情が完全に消さないといけないな。




で、これはどういう状況なんだ?

ルシアが攻撃して剣を飛ばして、ケリウスが俺の前に来て、闇を放つが、アリアに飛んで避けられた、みたいな感じか?

そういえばルシアって、何で攻撃したんだ?

多分属性でだよな?

あれ、ルシアって何属性だっけ?

そういえばまだ訊いてなかった。

後で訊くか。


「ありがとな。ケリウス」


俺は目をこすって涙を拭き、体を痛めながらもゆっくりと立ち上がった。


「そういえば、魔石はどうした?」

「ちゃんと手に入れたよ」

「てことは、後はあいつを殺すだけだな」



「後少しでしたのにっ!でも、ちょっと増えたくらいじゃ、私には敵いませんよ!」


アリアは怒りを露にしながら綺麗に着地する。


地面から植物が生え、蔓が俺たちに纏わりついてきた。


「な、なんだよこれ!」


アリアは横から水の斬撃を出し、こっちに飛ばしてきた。

俺は数本の闇の剣を出し、蔓を一斉に切った。

斬撃に当たる寸前のところで、ぎりぎり避けることができた。


「危なっ!助かった。ありがとな、ラング」

「当たり前だ。大事な道具だからな」

「……フッ、そういうと思ったよ」


「最終手段です」


アリアはいきなり空を飛んだ。

見ると、手から火の玉を出していた。


その瞬間、いきなり雨が止む。


一体何をするつもりだ?



アリアは俺たちにニヤリと不敵な笑みを見せ、その火の玉を森に落とした。

その瞬間、森は一気に炎に包まれた。


「うわっ!」

あちっ!」


最終手段ってこういうことか。


「あの人正気!?この森って、あの人の森みたいなもんでしょ?」

「俺を殺すためならこの森がどうなろうといいって判断だろうな」



火の勢いが増すのがわかった。

この森がどうなろうと構わねえよ。

早くあいつを殺してこの森を抜けねえとな。


炎が巨大になると、アリアが強風を起こした。


「何っ!?」


炎が俺たちを呑み込む。


「奥の手を出すしかないな」


その瞬間、黒い手のようなものが、ケリウスの後ろから出てきた。

その手は徐々に大きくなり、でかい炎を一気に掴みこんで消した。


「ケリウス、その手…」

「ん?ああ、これか。俺のスキル、『魔の手』だ」


魔の手……そんなスキルが存在したのか。

そのスキルがあれば……俺のこの左腕も…。


「ケリウス」

「ん?」

「確か、お前には付与魔法が使えるんだよな」

「あ、ああ、そうだが」

「だったら、その魔の手ってやつを、俺に付与してほしい」

「え、なんで」

「いいから早くしろ!」

「わ、わかったよ」


ケリウスは俺に手の平を向け、目を瞑る。

顔の表情が硬いことから、手に力を込めてることがわかる。

ケリウスは声をあげると、目をパッと開けた。

手からは黒い靄が放たれている。


その靄が俺の左腕のところに当たると、徐々に腕の形を作っていった。

やった。手が手に入った。


試しに動かしてみる。


「おぉ!動くぞ!ちゃんと思い通りに動いている」

「危ない!」


危機を察知し、瞬時に避ける。


「浮かれてたら死ぬかもな」

「早く倒すぞ」

「わかってる」


この力で俺が倒してやる。


「ありがとな、ケリウス。感謝するぜ!」


その言葉と同時に、俺はアリアに向かって飛んだ。

アリアが少し焦りながら、色んな攻撃をしてくる。

が、俺は避けたり、闇で吸い込んだ。


そしてついに、アリアの目の前につく。

その瞬間に、俺は左手を前に出した。

手はみるみるうちに大きくなり、アリアの体を握った。


「くっ!そんな、私が!」

「勝ったな」


俺は左手の親指でアリアの頭を潰した。

四方八方に血が飛ぶ。

呆気なく終わったな、神のくせに……。


 

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