第50話 『災害の女神』
「女神を殺す?そんなことができるの?」
「何言ってんだ。俺はいずれ魔王になる男だぞ」
「てか、なんで女神を殺す必要があるんだよ」
「奴は俺を殺そうとしてる。だから逆に俺が殺してやるって言ってるんだ」
「また面倒なことを」
「お前等何普通にこいつの言うこと受け入れてるんだ?女神を殺すって言ってるんだぞ?」
「こいつなら本当にやりかねないぞ。強いからな」
「女神を殺すのは魔石を集めてからだ」
「なあ、俺、もう帰らせてくれよ」
「ダメだ。逃げる気だな」
「ケリウス、そいつが逃げないように見張っとけよ」
「ああ、任せろ」
俺たちは嵐の吹き荒れる中、魔物を狩り続けた。
途中で二手にわかれて探した。
「運が悪いな。何匹か倒したのに、見つかるのは違う魔石ばかりだ」
「風もさっきよりひどくなってるぞ」
「あったわ!」
「なに?本当か!?」
俺とケリウスとスランガは、ルシアたちの下へ向かった。
見ると、確かにルシアの手には、赤い魔石があった。
「少しは役に立つじゃねえか」
「少しって何よ!」
実際あまり役に立ってないんだよな。
そろそろ役に立ってもらわないと色々と困る。
「後一つだな」
その瞬間に、雷が連続で落ちてきた。
最後の雷が落ちた瞬間に、そこから女が現れた。
誰だ?
緑がメインの豪華な恰好をしている。
「お前……誰だ…?もしかして、お前がその女神ってやつか?」
「私は、災害を司る女神、アリアです」
「やっぱりか。なんでわざわざ俺たちの前に来た」
「あなたを消すためです」
「消す?なんでその必要がある」
「あなたはいずれ、世界に影響を及ぼす魔王になることでしょう。私はそれを阻止するためにあなたを消すのです」
なるほど。なら、殺される前に俺が殺せばいいんだな。
俺は小声でみんなに向かって、
「こいつは俺だけがやる。お前等は魔物狩りをして魔石を集めろ」
「わかった」
「頼んだわよ」
みんなが後ろに向かって走ろうとすると、アリアがフッと消えた。
否、消えたのではない。
移動したのだ!
振り向くと、アリアがケリウスたちの前にいて、攻撃をしかけようとしている。
「なっ!」
俺はアリアに向かって、一瞬で飛びついた。
アリアを抑えながら、
「早く行け!こいつは俺がやるから!」
「あ、ああ」
ケリウスたちが見えなくなるくらいのところまで行くと、アリアが空から雷を落とした。
雷が俺に向かって落ちる寸前のところで、上に闇の渦を出した。
雷は闇に吸い込まれ、俺に当たらずに済んだ。
それと同時に俺は振り飛ばされてしまった。
「あぶねぇ!フッ!」
また雷が落とされたが、飛んで避けた。
「かかってこいよ。逆に俺が殺してやるからよ」
アリアは黙って近づいてくる。
俺はそのアリアに向かって走り出した。




