第48話 『ゴブリンを殺す』
呪いの森という割には、そこまで恐怖を感じないな。
雰囲気も暗くないし、普通の森と同じに見えるが、災いがよく起こるのか?
「魔物見つけたぞ」
ケリウスはどこかに指差すと、その方向に向かって走りだした。
「おい!ちっ、勝手に動くなよ」
ケリウスが向かってる方向を見ると、確かに魔物がいる。
イノシシに似た黒い巨大な魔物。
ケリウスは走りながら、空間から『痛魔の魔剣』を出し、その剣に闇を纏い、イノシシに向かって振りかざした。
イノシシが真っ二つに切れて死ぬと、ケリウスはイノシシの体の中を漁り出した。
漁ってから少し経って、魔石を見つけたようだ。
俺たちの上とケリウスの近くの上に闇の渦を出し、その渦を下におろし、瞬間移動した。
「魔石はあったか?」
ケリウスは悲しい表情をしながら振り向く。
あ、あったはあったけど、違う種類のやつか。
それは見事にあってたようだ。
「あったはあったけど、赤いやつじゃなかった」
ケリウスの手には青い魔石があった。
「特定の魔物に赤い魔石があるのか?」
「いや、魔石の種類はランダムだ。絶対その魔石ということはない」
なるほど。
俺も探さないとな。
「あ、あそこにいるわ」
ルシアが言う。
見ると、そこにはゴブリンが数匹立っていた。
その瞬間、全身がカッと熱くなる。
既に頭には血がのぼっていた。
「ゴブリン……」
その声は低くドスがきいていた。
俺は一瞬でゴブリンの前までたどり着き、顔面に向かって思い切り殴りつけた。
殴られたゴブリンは吹き飛び、木にぶつかった。
周りのゴブリンがキーッキーッと吠えながら威嚇してくる。
振り向き、睨みつけると、吠えるのを止め、怯え始めた。
「なんだよ、そんなもんか?」
次に、一番近くにいる奴に飛びつき、地面に叩きつけた。
俺はゴブリンの顔面を踏みつけながら、
「ごめんな~。俺今ちょっと血がのぼってるんだわ~」
「ケリウス」
「ん?」
「ラング、なんでそんなに怒ってるの?」
「まあ……色々あったんだよ」
「そ、そうなのね」
魔石のことはすっかり忘れていた。
何度も何度も踏みつける。
その度に、快感が襲ってくる。
あぁ、なんかこの感覚久しぶりな気がする。
「よくも!よくも!俺を陥れてくれたな!直接的には関係してないが、お前等と同じ種族に、俺は苦しめられたんだよ。お前等ゴブリンに出会わなければ、こうなることもなかった!」
最後に、ボールを蹴り飛ばすような勢いで顔面を蹴りつけた。
ゴブリンが小さい手で顔をおさえながら叫び声をあげる。
「なんだよ。どうせ醜い顔なんだし、歪んでも問題ないだろ」
「ラング、私も倒す」
レイナが近づこうとすると、
「やめろ!」
「こいつらは俺が殺る!」
トーンを低くして言うと、レイナは少し怯んだ。
俺は空間に波紋を出し、そこに手を突っ込む。
そして、「恐魔の宝剣』を取り出した。
刃先を下に向け、倒れているゴブリンの首めがけて、ギロチンの如く、剣を下ろした。
首から上は離れ、赤黒いドロドロした血が流れ出る。
それを合図に周りにいるゴブリン一斉に俺に襲い掛かってきた。
俺は剣を振りながら一周回った。
ゴブリンの首は一斉に飛び、血の雨が降り注いだ。
その瞬間、大雨も降り出した。
剣を振り、刃先についていた血を飛ばす。
雨に濡れてるからか、綺麗にとれた。
「……少しスッキリした気がする」
「そ、そうか。それはよかったな」
ケリウスはそう言いながら、さりげなくゴブリンの方に近づいて行った。
ゴブリンの腹の中を漁り出すケリウスを見て、思い出した。
そういえば赤い魔石をとるために魔物を殺してるんだったな。




