第43話 『吸血鬼の過去』
今回でまた目線が変わります。
次は過去のレイナ目線になります。
そして、
『暴れるな』
『発狂するな』
と命令をした。
そしてスランガは大人しくなった。
「お前は錬金術師だろ?そんなお前に用事があるんだよ。兵器を作ってもらいたい」
「くっ!なんで俺が」
小声で言ったつもりなのだろうが、がっつり聞こえている。
「いやと言える口なのか、お前は?もし、作らなかったら、どうなるかわかってんだろうな~」
スランガの髪の毛を掴み上げ、顔を近づけて、低くドスのきいた声で言ってやった。
また怯えて震えるスランガ。
「まだ殺しちゃダメ?」
「ダメに決まってんだろ!用事を済ませてからだ」
「……早く終わらせてね」
「……思ったんだが、なんでこいつも殺す必要がある」
「私を傷つけたから、そしてグライズの関係者だから」
「あのグライズと一体何があったんだ?」
「………色々あったの」
「そうか」
考えた末に出た言葉がそれだったのだろう。
きっと言いたくなかったに違いない。
これ以上は、問い詰めないことにした。
「……………」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
私はレイナ・ルノセパルス。吸血鬼だ。
この種族は、魔人族よりは差別されていない。
よりは、ね。
差別する人もいれば、差別しないで受け入れてくれる人もいる。
私たち吸血鬼は基本、森のど真ん中にポツンとある村に住んでいる。
人間の元で暮らしたくないから、これが理由よ。
ほとんどの種族が人間を嫌ってるからね。
私も嫌いよ。昔、人に石をぶつけられて、小さいけど傷をつけられたからね。
私たちは村にひっそりと住んで動物を狩ったり、果物を調達して食べている。
たまに人の血を吸うために人里に下りる強者がいるが、私はそんなこと到底できない。
私は臆病だから。
今日も動物を狩って食べて終わる。
そう思っていた。
夜になり家の中で夕食をとっていると、いきなり玄関のドアを破かれ、人間たちが入ってきた。
鎧を身にまとっている。
国の兵士か。
一体何しにきたの。
私は混乱でその場を動けずにいた。
すると兵士の一人が、
「こいつらを捕らえろ」
私たちは縄で手首を縛られて、取り押さえられてしまった。
そして村の真ん中に連れてこられた。
そこには既に捕まっていた村人たちが座っていた。
私はその中に雑に放り込まれた。
体勢を整え、
「あんたたち、この子はまだ子どもなのよ?!」
「知るか。吸血鬼風情が人間様に逆らうんじゃねえよ!」
兵士は口出しした女性の腹を思い切り蹴りつけた。
蹴られた女性は苦しそうに咳払いをしていた。
私は兵士を睨む。
これが人間か。
なんて小さい人種なんだろう。
たかが種族が違うだけで、差別するのだろう。
宇宙で一番の謎だ。
「あんたたち、一体何しにきたのよ」
「ああ?決まってんだろ。金品を奪いにきたんだ。こんなところに金品なんてなさそうだが、この女どもを奴隷として売れば結構な金になるだろう」
奴隷?
頬に汗が伝う。
嫌だ。そんな地獄な日々を送りたくない。
「男は俺たちが殺して楽しんでやるから安心しろ」
兵士は一人の男を見つめ、ニヤニヤしだす。
誰から殺そうかとか考えてるのだろう。
「お前たち、こいつらを城に連れていくぞ」
「「「は!」」」




