第40話 『吸血鬼』
「う、うぅ~ん」
あ、生きてたのか。
「誰?」
「ラング・ガンデイル、魔人族だ」
とりあえず名乗っとく。
「お前、なんでここで倒れてる」
「スランガにやられた」
スランガ?って誰だ?
「スランガって誰だよ」
「錬金術師」
「「「えっ」」」
錬金術師って、俺が今から会おうとしてる奴じゃねえか。
「その錬金術師ってどこにいるか知ってるか?」
すると、どこかに向かって指差した。
見ると、その方角には俺たちが向かおうとしてる国があった。
「あの国のことか?」
女は黙って頷く。
「ラング、それって」
「ああ、俺たちが会おうとしてる錬金術師だろうな」
「え、それってどういうこと?」
「俺たち、今から錬金術師に会いに行くんだ。で、そいつが、お前を襲った奴かもな」
………よく見たらこの女、可愛いな。
サラサラした長い髪に、艶々した白い肌、悪いとこがまったくない。
人間だったらすべて悪いけどな。
「………何?」
「い、いや。なんでもない。お前、名前は?」
とりあえず話を逸らすために、名前を聞いた。
「レイナ・ルノセパルス」
「レイナか。わかった。ちなみにこいつはケリウスでこいつはルシアだ」
適当に二人の名前を教える。
「疑問ばかりで悪いが、お前、なんでその錬金術師と戦ったんだ?」
「その男とは戦ってない。一方的にやられただけ」
「そうか。俺たち、今からその錬金術師に会いに行くから、用事が済んだら殺しておいてやるよ」
「私もついて行っていい?」
「なんでだ?」
「それは……私がその錬金術師を殺したいから」
?なんで少し間が空いたんだろう。
理由を考えてたのがバレバレだ。
まあいい。
とくに意味はないのだろう。
「わかった。俺たちの邪魔をしなければ構わねえよ」
するとレイナがパアと明るい表情になる。
そんなに嬉しかったのか?
「ほら、立てるか?」
手を貸すと、レイナはその手を掴み、スッと立ち上がった。
結構軽いのがわかる。
国の門をくぐり、街を歩く。
「どこにいるとか知ってるの?」
ルシアが聞く。
が、俺が得た情報はこの国にいることだけだ。
だから知るはずがない。
「知らない。俺が知ってるのはこの国にいることだけだ。レイナ、何かそのスランガって奴の情報ないか?」
「なんか貴族みたいな豪華な服装してた気がする」
「ってことは貴族街にいるってことか?」
「そういうことだろうな」
街の中を歩き、スランガの家を探した。
どこ探しても見当たらないぞ?
そんなことを考えながら歩いていると、装飾品が飾られてるローブを着た男の二人とすれ違った。
その瞬間に、レイナが立ち止まる。
「ん?どうした?」
「今の人………」
振り返り、さっきの二人組を見る。
あの二人のどっちかがスランガだな。
「あれ、さっき殺したはずなのに」
ん?どういうことだ?
さっき一方的にやられたって言ってたような………。




