第39話 『錬金術師を求めて』
兵士どもを虐殺し、城を出る。
城に背を向けながら、城に向かって巨大な闇を放ち、完全に消した。
「ねえ、次はどこに行くのよ」
「ん?そうだな………」
そういえばこの先のこと考えてなかった。
次はどこに何しに行こうか…………。
そうだ、いいこと思いついた。
強くなるためには、強い武器、否、兵器も必要だ。
最強の兵器を作ろう。
どうやって作るかって?
俺だって知らない。
作ってもらうんだよ。
誰にって?
錬金術師にだよ。
そいつに最強兵器を作ってもらう。
そのことを考えるとついニヤリとしてしまう。
そいつがいい奴なのか、悪い奴なのかは関係ない。
とりあえず作ってもらう。
もし、断れたら殺すだけ。
もしくは、脅して作ってもらう。
まあ、作ってもらっても殺すんだけどな。
「で、次は何するのよ」
「兵器を作ってもらう。そうすれば、一瞬で何百万の人間を破壊することができる」
俺はニヤリとしながら言う。
「誰に作ってもらうんだ?」
ケリウスが聞いてきた。
「錬金術師だよ」
どこにいるのかは知らない。
近くにいるかもしれないし、遠くの国にいるかもしれない。
誰かに訊けばわかることだ。
「どこにいるのか、知ってるのか?」
「知ってるわけないだろ。訊くんだよ。街に戻って」
街に下り、商人に訊いてみる。
「錬金術師?そうだな。この近くにいるってのは聞いてないな」
男はその立派な顎鬚を手で触りながら言っている。
癖なのだろうか。
まあ、そんなのはどうでもいいことか。
この喋り方は知らないのか?
ちっ、ハズレか。
「あ、でも、隣国にいるとは聞いたことがある」
前言撤回!当たりを引いたな。
「隣国か。わかった。ありがとな」
「当然のことをしたまでだ」
「お前等、行くぞ」
街を歩いているとルシアが、
「あんたでもお礼はするのね」
「ん?まあな。感謝したらお礼くらいはする」
別にそのお礼に感情はこもってないけどな。
国の壁を何とか通り過ぎ、草原を歩く。
草原を歩いてから少し経つと、奥に銀髪の幼女が倒れていた。
「ん?なんだあれ?」
「どれだ?」
「ほら、あれだよ」
女がいるとこに指を差す。
「ん~、見えねえな」
目が悪いのか?
そういえばこいつ、五十歳以上なんだよな。
ってことは、老眼か?
あの女の奥に国があるから通るときに少し見るか。
見るだけだが。
すぐ近くまで行くと、顔がはっきり見えてきた。
眠ってるのか?
それとも死んでるとか?
………コウモリのような羽が背中に生えている。
吸血鬼なのだろうか。
てことは人間ではないということか。
俺は女に近寄り生きてるかを確かめた。
「吸血鬼か?」
「そうだろうな」
「だから、気にしてるのね」
「こいつが人間だったら絶対見捨てるけどな」
そんな話をしてると、女の目元がピクリと動いた。




