第22話 『不老不死の呪い』
不老不死の呪いをかけるのか?
でもそれは、意味がないと思うぞ?
不老不死は寿命がないだけで、心臓を貫かれでもしたら簡単に死ぬ。
即死もできる。
もちろん、病気はおきない。
何もなければ、一生生きていけるということだ。
死のうと思えば簡単に死ねるだろう。
男は、俺の頭に手を向け、光を放った。
かけられてしまった。
でも、あまり欠点はないだろう。
「あ、一応言っとくけど、君の力も縮めたから。完全には消せなかったけど」
「は?」
ステータスを開き、数値を確認する。
―――――
ケリウス・センエラー
職業:魔術師
属性:闇
レベル:100
HP:1000
MP:700
攻撃:500
防御:6
知識:10
―――――
HPとかMPとか、かなり減ってる。
これじゃ、支配できない。
これだけじゃ人間を苦しめることができない。
やはり、諦めるか。
ステータスから目を逸らすと、男はもうそこにはいなかった。
本当に不老不死になったのか?
ま、わかるのは何十年後だろうけど。
城は崩れたし、帰るところがない。
俺の故郷の国に帰るか。
俺は空を飛び、エーデン大陸に向かった。
そして無事に着地する。
着いたはいいが、住む家がないんじゃ意味がない。
ステータスは減ったが、人を殺せることはできるだろう。
適当に良さそうな家を選んで、その家の人間を殺してそこに住み着こう。
歩きながら、色々な家を見る。
が、俺に合いそうな家はない。
くそ、イライラする!
歩いて少し時間が経つと、視界に路地裏が写った。
「…………」
俺は吸い込まれるように、その道を渡り始めた。
昼間のはずなのに、薄暗い。
まるで亜空間にでも続いてるようだ。
そんなことを考えながらも俺は周りを見ながら歩いた。
角を曲がり、少し歩くと、行き止まりになった。
なんだよ、何もないじゃねえか。
だが、横に怪しいオーラを醸し出している家があった。
なんでこんなところに家が建ってるんだ?
この建物の奥にも建物があるから、外からは一切見えないようになっている。
誰かの隠れ家か?
ま、誰かいようが殺すだけだがな。
俺は家に近づき、扉に手をかけた。
ガチャッ
鍵はかかってないのか。
部屋の中を見ると、ガラの悪そうな男が四人いた。
「誰だ貴様――」
最後まで言わせずに、一瞬で男の後ろに行き、腕で首を折った。
次に、拳を握り、一番近くにいる奴の顔面に殴りつける。
空間から痛魔の魔剣を取り出し、後の二人にあてる。
そして発狂する二人。
危ない危ない。
殺される前に殺す。これ大事。
心が落ち着いてきたところで、小さな闇の渦を出し、四人を消滅させた。
周りを確認し、どんな部屋かを確かめた。
結構落ち着いた感じの部屋なんだな。
さっきの奴等には全然似合わない。
壁には本がぎっしり詰まっている。
適当に本を取り、表紙を見る。
魔導書か?
あいつら、魔術師なのか?
あの顔、絶対盗賊の方が似合ってるって。
まあいい。決めた。
俺はここで暮らす。
俺は天使にすら敵わなかった。
だからもし神を敵に回せば、ただじゃすまないだろう。
俺の命が一番だ。
苦しめるために死ぬなんて、それこそごめんだ。
悔しいが、仕方ない。
俺は復讐を諦める。
あれから何年が経過しただろうか。
多分、三十年は絶対経ってる。
だが、一つおかしいことがある。
俺は鏡の前に立ち、自分の顔を眺める。
やっぱり、俺の顔は若いままだ。
今は三十何歳くらいだろうけど、この見た目は十六歳だ。
これで俺は、不老不死の呪いにかかったと確信した。
若さが保てるってのは悪いことじゃないし、別にどうでもいいんだけど。
何百年か、何千年か、十分に長生きしてから自殺をして人生を終えよう。
悔いは残るが、死んだらそれで終わり。
記憶も消えるんだから、別にいいだろう。
そして二十年が経過した。
なんか玄関が騒がしい。
扉を開けると、俺に似た男がそこに立っていた。




