第19話 『世界の支配者』
「頼む!殺すのだけはやめてくれ」
その言葉を聞いて、笑いがこみ上げてくる。
「安心しろ。殺しはしねえから」
その言葉を聞いた人間どもは、胸に手を当て、安堵のため息をつく。
ふん、バカが。
俺はそんなバカどもに呆れながら、心の中で悪口を言った。
「殺しはな」
それを聞いて何かを察したようだ。
みるみるうちに表情が青ざめていく。
「お前たちは、今日から俺の奴隷だ」
「そんなの嫌に決ま――」
「あ?」
言葉を遮って、その男を睨みつける。
「俺の言いなりにならないなら、どうなってるかわかってんだろうな?」
手から闇を出し、ニヤリとしながら見つめる。
「「「………………」」」
「もちろん、俺の言う通りにしてくれたら、殺しはしない。お前等もそこまでバカじゃないだろ。もう一度言う。お前たちは、今日から俺の奴隷だ」
少し時間をおいて、小さく頷く。
「わかればいいんだよ、わかれば」
俺は空中に浮き、奥に向かって玉座に座った。
「じゃ、そいつとそいつ、こっちに来い」
適当に人を二人指差し、俺の横に来させた。
そして左手に持ってる痛魔の魔剣をその二人に当てる。
「「あああああああああああああああああああああああ!」」
発狂しだし、暴れ始める。
「アハハハハ、やっぱりこの光景はいくら見ても飽きないな」
愉快に笑う俺を見て、こいつやばいとでも言いたそうな表情をする。
「な、なんで、傷つけないって言ってたじゃないか!」
「ああ?何勝手に変な解釈してんだ。俺が言ったのは殺さない、だ。傷つけないとは一言も言ってない」
その言葉を聞いた彼らは、みるみるうちに表情が青くなっていく。
この世の全てに絶望でもしたような表情、泣きそうになる顔、やはりたまらない。
心の底からゾクゾク~ッとくる感じ、これにはなんとも言えない中毒性がある。
玄関の方から逃げようと、次々に外に出ていく。
逃がすとでも思ってるのか?
お前等はもう俺の物なんだから。
俺は窓に向かって飛び、そのまま勢いに任せて窓を突き破る。
そして外に出た。
見ると、みんなバラバラの方向に逃げていた。
そうすれば、逃げ切れるとでも思ってるんだろう。
はあ……俺もなめられたものだ。
心の中でため息をはき、逃げる奴等を睨む。
あいつらをここに取り戻すのなんて簡単だ。
人差し指を立て、そこから小さな闇の玉を出す。
それを空中に浮かすと、城の真ん中に移動させた。
その瞬間、逃げた奴等が一気に城に引き込まれた。
ブラックホール的なやつだ。
地面に綺麗に着地し、城の方を見る。
城の壁にへばりつくような状態になっている。
なんとも滑稽な姿だ。
「ふざけやがって!俺を怒らせるとどうなるかわかってんのか?!」
徐々に城に向かって走り出し、勢いに任せて前にいる人間の顔面に殴りつける。
気が済むまで、色んな奴の腹を殴りつけた。
怒りに任せて何度も何度も腹を蹴りつけた。
すると、逆流した胃液が口からこぼれる。
闇を消すと、城にくっついていた奴が一気に地面に落ちた。
適当に選んで髪を掴み上げる。
「俺に逆らうな」
低く、冷たく、地獄の底から這いあがるような声で、睨みつけながら言った。
すると、近くにいる奴は怯えながら俺を見ていた。
俺が睨みつけた奴は、震えるだけで全く動こうとしない。
「あ……あぅ……ぁ…」
声を出したくても出せないのか、口をパクパクとさせている。
気持ち悪ぃ。
心の中で舌打ちをし、掴んだ頭を地面に叩きつける。
やはり苦しめるっていうのは気分がいい。
こいつらはこれからも、俺のおもちゃになってもらう。
ニヤリと笑う俺の表情を見て、彼らは怯えることしかできなかった。




