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奴隷は魔王となり、復讐を決意する。  作者: 影月命
第2章「黒の魔術師」
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第11話 『闇属性のリスク』

ここから、何話かケリウス目線になります。


「魔王?」

「この世界に君臨し、人々を脅かす存在だ」


人々を脅かす……

いいかもな。


俺は片方の唇を引き上げ、ニヤリと顔を歪ませる。


「魔王か。いいかもな。人間みたいなクズは俺が壊してやる。俺のおもちゃとして、何人も殺してやる」


俺の声が恨みの籠ったように徐々に低くなっている。

強くなって魔王になり、復讐する。世界の人間ごと!


人間は滅んだ方がいい。


その考えだけはいつになっても変わらないだろう。

人間は皆クズだからな。


だから、俺が魔王になって人間を始末すればいいんだ。

でも、ただ始末するんじゃない。


俺の奴隷にしてこき使ったり、おもちゃとして傷つけたりしてから殺そう。

俺が魔人たちを救う。


「フッ、フハハハハ!この先のことが楽しみだ!ありがとよ、いい案をくれて」


「お前は殺さないでおいてやるよ」


俺はケリウスに背を向け、ドアノブに手をかける。


「………待ってくれ」

「んぁ?なんだよ」


「俺を、仲間にしてほしい」

「はあ?なんでそうなる?!」


「俺も世界を滅ぼしたいから」


「はあ、だから人間はクズなんだよ」

「?」

「お前は人間だろ。なのに、人間を殺そうとする俺の仲間になろうとするとは」


「人間は人間とも戦う。同族と争うのは俺のは到底理解できない。ったく、人間はどこまで腐ってやがるんだか」


俺は呆れたように首を振る。


「だいたい、お前は人間だ。そんな奴と一緒にいるとか、耐えられるか。吐き気がする」


もう一度背を向け、今度こそ出て行こうとする。

が、ケリウスの次の言葉を聞いて俺はピタリと止まった。


「……俺は、過去に裏切られたことがある」


「どういうことだ」


思わずケリウスに近寄る。


「俺は昔――」




◆ ◆ ◆ ◆ ◆




太陽の光で目が覚める。


俺はベッドから起き上がり、着替えて外に出た。



俺の名前はケリウス・センエラー、十六歳。


貴族の三男に生まれ、結構贅沢をしている。

豪邸に住んで、メイドもやとっている。



だが、俺には不満を抱いていることがある。

俺の属性だ。


―――――

ケリウス・センエラー

職業:魔術師

属性:闇

―――――


これはステータス魔法で、自分の今の状態を数値で表すことができる魔法だ。

で、属性を見てほしい。

闇だ。

この世界で数少ない属性の一つだ。


どうやら俺はハズレを引いたらしい。

闇は強いが、それなりにリスクもある。


自分の心を悪にするのだ。

だから、将来人殺しをする可能性は非常に高い。


だからか知らんが、俺は他人に軽蔑されている。

話かけても完全に無視する人もいれば、俺を睨みつけて、暴言を吐く奴もいる。

さらには、俺を殺そうとする人まで出てきた。

正義のつもりなのだろうか。


俺の周りの人間は、俺にそんな対応をとる。

ありえないことに親もな。


俺が手から闇を出すのを見てから完全無視を決め込んでいる。

まるで俺がそこにいないような錯覚を覚えるほどだ。

兄二人は話しかけるのに。


でも、ご飯はちゃんと俺の分もつくっている。

豪華なやつを。

俺はそんな豪華なご飯はいいから、俺とちゃんと話してほしい。

ちゃんとした愛がほしい。


メイドは俺と喜作に話してはいるが、陰で俺が死んでほしいという話をしているのは言うまでもない。


そんな生活で、よく耐えられるなと思うかもしれない。

俺も実際、俺のメンタル強すぎないかと思ったこともある。



魔術学院に着くと、教室に向かった。


今日もいつもと変わらない一日なんだろうな。


そんなこと内心思いながら教室に入る。


「あ、ケリウス、おはよう」


俺に向かって走ってくる彼の名はエルド・ロアセキル。

見た目も性格もイケメンで、明るく接しやすい。

そして属性は光。

俺とは正反対だ。


エルドはなぜか、俺が闇属性と知ってるのに、普通に俺に話しかけている。


俺とエルドは友達だ。そして俺にとってかけがえのない存在。

彼がいたから俺は壊れなかったのかもしれない。



「?何ぼおっとしてんだよ」

「いや、ちょっと考え事をしてただけだ」


エルドの笑顔につられて、つい俺も笑顔になる。

俺の友達でいてくれてありがとう、エルド。


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