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奴隷は魔王となり、復讐を決意する。  作者: 影月命
第10章「剣術修行」
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第100話 『悠月秀一』

緑髪のショートヘアーで少しウェーブがかかっている。

緑色の眼は吸い込まれそうな錯覚を起こすほど大きく見開いていた。


どうやら何日か前に兄貴に頼み込み、あの森のトラップで修行していたそうだ。

俺たちはシューイチと修行することになった。

だがいつも通り木刀を振るだけで大して変わることはない。


シューイチを見ていると、俺はある疑問を思い浮かべた。

その疑問について、俺はシューイチに問いかけた。


「シューイチ、おまえはなんで修行することになったんだ?」

「?……どうした、いきなり」

「いや、ちょっと気になっただけだ。言いにくいことなら、無理に言わなくていい」

「実は——」

「ケリウス、死ねー!」


シューイチの言葉を遮るように、エデウスが叫んだ。

見ると、エデウスが木刀でケリウスを攻撃しようとしていた。


「あぶねっ!」


ケリウスは自分の持っていた木刀でガードする。


またケリウスとエデウスが喧嘩をしているのか。

ここ最近、よくこの光景を見るような気がする。

過去に何かあったから、互いに嫌ってるのだろうか。

まぁ、俺が知ったことではないが。


「おまえら、あまり面倒事を起こすなよ」


頭を掻きながら、呆れ気味に言う。


………あれ、なんの話だっけ…?

まぁいいや。忘れるということは大して重要なことではないのだろう。



木刀を何日も振り続けて、次は二人組になって決闘をすることになった。

みんな次々とペアを決め、残ったのは俺とシューイチだけとなった。


「じ、じゃあ、俺と組むか」


シューイチが声をかける。


「そうだな。他には誰もいないし」


二人で向かい合い、木刀を強く握る。


「行くぞ」

「あぁ」


その言葉を合図に、二人同時に襲い掛かった。

木の弾く音が聞こえてきた。

鍔迫り合いをしながら、俺はこの前の話をもちかけた。


「そういえば、おまえがなんで修行することになったのかまだ訊いてなかったな」

「そういや、そうだったな!」


シューイチが木刀を弾くと、俺は一瞬でその場を離れ、距離を置いた。

警戒していたが、瞬きをすると、シューイチが視界から消えてしまった。


「なにっ!?」


後ろから気配を感知し、振り返るときにはシューイチが一歩手前まで来て木刀を振り下ろしていた。

咄嗟の判断で木刀を横に持ち、ガードする。

いきなりのことに力が入らず、圧倒されてしまう。


「実はな。俺は友人に裏切られたんだ…………殺されかけたことがあった」

「え」


思わず胸が高鳴る。


「その友人に復讐するために、おまえはここに来た……そういうことか?」

「そうだ」


木刀を押し、シューイチに蹴りを入れる。

シューイチはいきなりのことに反応ができなかったようだ。

少し体がよろける。

その隙に俺は素早く立ち上がり体勢を安定させた。


「友人の名前は…?」

「…………タケル」


彼は意味深な間を置き、その友人の名前を呟いた。

きっと間を置いたのは、裏切られた苦しみを思い出したからだろう。

だからきっと躊躇したのだ。


俺は勝手にそう解釈し、同情してしまった。


「なるほど。理由はわかった………実は俺も、裏切られたことがあったんだ」

「えっ」


いきなりの告白にシューイチは呆然としていた。


「俺たち、どこか似てるとこがあると思ったんだが、そこだったんだな」


微笑みながら言う。


「何気持ち悪いこと言ってんだよ、まったく」


それに釣られて、シューイチも苦笑した。


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