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奴隷は魔王となり、復讐を決意する。  作者: 影月命
第10章「剣術修行」
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第99話 『新たな弟子』

数々のトラップを潜り抜け、俺はようやく兄貴の元までたどり着くことができた。


「か……勝って…やった………ぞ…」


何とか森を抜け、兄貴が視界に映ると、緊張感が解けて安心したのか、体の力が一気に抜けた。

俺は抵抗することなく、流れに沿うように地面に倒れてしまった。


「やれやれ、やっと来たと思ったら、そんなに辛かったのか?」




ふと意識を取り戻す。

次に目が覚めたときには、日も落ち、あたりは暗くなり、静まり返っていた。


話を聞くと、俺が起きた時点では既にみんなの訓練は終わっていたようだ。


「ラウィリシャさん、今日はこの辺で終わりにしませんか?」


ルーベスが提案する。


「確かにそうだな。このまま無理してまで訓練しても逆効果だと思うし………今日はこの辺で終わりにしようか」


すると、ぐぅ~っと誰かの腹の虫がなった。

一瞬沈黙が流れる。

誰の腹がなったのか、一人ひとりの表情を見ればすぐにわかった。


「ルシア、おまえだな?」

「あ、バレてた?」


みんなが一斉にルシアの方向に振り返る。

視線を送る先には、顔を真っ赤にしながら腹を抱えるルシアの姿があった。


「今日は訓練もしたし、腹も減ったろ」


兄貴はそう口にすると、木の枝を集め、焚火をし始めた。


「手際良いですね」

「そうか?慣れてるからな」


チハルに褒められ、兄貴は頬を赤く染める。

あからさまに照れてるな。わかりやすい奴だ。


「食料はどうするんだ?」

「この前釣った魚がある」


空間から魚を取り出すと、兄貴は串を刺して火で焼き始めた。

『アイテムボックス』か。


「いい香りがするわね」

「食欲がそそられるな」


ケリウスの話を聞いてチハルが頷く。


「そうだろうそうだろう」


その言葉を聞いて兄貴は嬉しそうな表情をしていた。

なぜか心がホッと温かくなる。

なんだ、この感情。

焼き終えると、一人ずつ焼けた魚を渡し始めた。


この感情に何か意味があるのだろうか?

…………いや、深く考えないようにしよう。

深く考えると俺の今までの努力が無駄になるような気がしたからだ。

一瞬思い浮かべた自分でも驚くような結論を慌てて払いのけ、魚にかぶりついた。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 


「ある程度強くなっただろうから、そろそろ剣をやろう」


ようやく剣を与えられるようだ。


「ようやくか、待ち遠しくて仕方なかったぞ」

「修行では木刀を使う」


すると、俺たちの頭の上に魔法陣が出現し、そこから木刀が落ちてきた。

咄嗟の判断で木刀をキャッチする。


「これでどうするんだ?」

「まずは剣を縦に振ることからだ」

「え?」


予想だにしなかった発言に、思わず間抜けな声を漏らす。


みんなも俺と同じことを思ったのだろう。

唖然とした表情で口を開けている。


「そ、それだけ…?」

「基本的にはそれだけで十分だ。無駄口叩くくらいなら早くしろ」


兄貴が言うならきっと意味があるのだろう。

俺たちは若干疑いの念を抱きながらも、木刀を振ることにした。




そんな毎日を繰り返したある日、兄貴が一人の男を連れて俺たちの前に来た。


「今日からこいつも俺のもとで修行することになった。喧嘩すんなよ」

「悠月秀一だ。よろしく」


爽やかな笑みを見せ、男は自己紹介をした。


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