22話:嵐を呼ぶ包囲網
雷光帝国』の建国と、旧王国の事実上の崩壊。
この大陸のパワーバランスを根底から覆す激変は、
遠方の背後に広がる**「周辺諸国」の専制君主たち**を激しく震撼させていた。
「ただの追放令嬢と、職人の小倅が興した新興国だと? ふざけるな。そんなものが、我ら伝統ある
大国の歴史を脅かすなど断じて許されん」
大陸西部に位置する軍事大国『ガルディニア帝国』の皇帝は、玉座の肘掛けを怒りに任せて叩きつけた。
彼らが最も恐れていたのは、ルミナリアが持つ
「ルミナス光熱(無限の魔導エネルギー)」と
「アルスの超空間物流網」が、
自国の平民たちに伝播し、既存の搾取構造
(王侯貴族による資源の独占)
を内側から崩壊させることだった。
危機感を共有した周辺の4つの大国
西の軍事大国ガルディニア
南の商業連合ルクレシア
東の聖法神国神聖マリア
そして北の魔導王国ネザリア
これまで反目し合っていたはずの彼らは、
ルミナリアを共通の「人類の敵」と見做し、
極秘裏に**『大陸権益防衛同盟』**を結成。
その狙いはただ一つ――雷光帝国を四方から経済的・軍事的に完全包囲し、その息の根を止め、
無尽蔵の魔導技術を4国で山分けにすることだった。
「15万の民など、我ら4カ国連合の『百万の軍勢』の前には塵も同然。
女帝の首を撥ね、あの街を世界の共同管理下に
置くのだ」
聖法神国の教皇が掲げた「偽りの正義」の名のもとに、かつてない規模の暗雲がルミナリアの国境へと
迫りつつあった。




