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14話:ルミナスの魔力への一目惚れ

「初めまして、キルトさん。

私はルミナス・アルートス。この街へようこそ」


ルミナスが優雅に一礼した瞬間、キルトの身体が

硬直した。

彼の職人としての、そして魔力を感知する鋭敏な感覚が、ルミナスの全身から立ち上る「紫電のマナ」を捉えたのだ。


その雷の魔力は、ただ激しく荒れ狂うものではなかった。どこまでも純粋で、緻密に折り重ねられた、

まるで「最高級の極細の絹糸」が幾重にも編み込まれているかのような、美しく洗練された魔力の奔流。


「……素晴らしい。これほど美しく、強靭なマナの輝きは見たことがない! ルミナス様、ぜひ、あなた専用の戦闘服を僕に作らせてください!」


キルトはカイルたちの制止を無視してルミナスの手を握り、目を輝かせた。


こうしてルミナリアの専属職人となったキルトは、

総督府の一角に工房を与えられ、爆速で仕事を始めた。


アルスが『アイテムボックス』から取り出した、

他国では滅多にお目にかかれない特級魔物

『アラハバキ・スパイダー』の極上糸。


キルトはそれを自身の『魔糸錬成』でさらに研ぎ澄まし、ルミナスのためだけのドレス型戦闘服を織り上げていく。


「ルミナス様の『紫電』は強力すぎる。

並の生地じゃ一瞬で焼き切れるからね。


この耐電性と魔力伝導率を極限まで高めた『紫電の魔絹』なら、どれだけ魔力を全開にしても、あなたの服が破けることも、美しさを損なうこともない!」


キルトの技術は、ルミナス個人の装備に留まらなかった。


彼はアルスと協力し、街を守る警備隊や、カイル率いる精鋭冒険者たちの制服・軽鎧を一手に引き受けた。


キルトの織り込む「目に見えない防護糸」が仕込まれた制服は、一見するとただの布服だが、並の鉄剣や

下級魔物の爪を完全に弾き返す。


「これ、軽くて動きやすいのに、王都の重装甲騎士の鎧より頑丈じゃねえか……!」


カイルたちの驚愕の声に、キルトは鋏を指先で回しながら不敵に笑うのだった。


ルミナリアがキルトという新たな「牙」を得て、

さらに強固な要塞都市へと進化していく中、ついに

その繁栄を決定的に引き裂こうとする影が国境を

越えて近づきつつあった。


王都からの理不尽な技術徴収をルミナスに拒絶され、完全にメンツを潰された王国上層部と、没落の一途をたどるアルートス伯爵家。


彼らは、ルミナリアを「国家への反逆都市」と一方的に認定し、武力による強制収奪へと舵を切ったのだ。

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