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12話:決別の意志

ルミナスは引き出しから、ルミナリア特産の

真っ白な高級便箋を取り出すと、万年筆を執り、

迷いのない美しい筆致で一言だけを書き記した。


『お断りいたします。私の愛する家族も、私の守る

べき民も、もうすべてこの地にございますので』


それは、彼女の幼少期を縛り付けていた

アルートス伯爵家という偽りの血脈、そして傲慢

極まりない王国に対する、完全なる「決別宣言」で

あった。


手紙は使者の手によって、そのまま王都へと送り返された。


それを受け取った王家とアルートス伯爵家が、

プライドをズタズタに傷つけられ、激高して

「力ずくで奪い取る」という暴挙に出ることは、

火を見るより明らかだった。


「……来るなら、来ればいいわ。ねえ、アルス?」


「ああ。俺たちの理想郷に泥靴で踏み込もうってなら、その足ごと、跡形もなく焼き尽くしてやろうぜ」


夕日に照らされ、美しく輝くルミナリアの街並みを

見下ろしながら、二人は静かに、しかし最高に不敵な微笑みを交わし合うのだった。



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