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辺境から始まる2人の伝説  作者: サンダー
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10話:勇者の成長と、届かぬ王都の声

都市の最高権力者、そして民の精神的支柱となった

ルミナス。


しかし、彼女自身は王都にいた頃と変わらず、

可憐で、優雅で、そして領民一人一人に声をかける

慈愛に満ちた令嬢のままだった。


そして、その彼女の横で、いつも膨大な都市の

帳簿をめくり、楽しそうに次の「規格外な計画」を

練るアルス。


二人は名実ともに、大陸で最も注目され、

最も敵に回してはならない「辺境の主」として、

その名を歴史に刻み始めていた。


ルミナリアの爆速的な発展の裏で、街の防衛戦力もまた、恐ろしいスピードで引き上げられていた。


その筆頭が、カイル率いるパーティーである。

カイルは毎日、訓練場でルミナスと対峙していた。


ルミナスが放つ、目にも留まらぬ速度の、しかし

命は奪わない絶妙な速度の「紫電」を避ける

回避訓練。


それは、常人の反射神経の限界を強制的に

突破させるものだった。


「カイル、今の踏み込み、左足の軸が0.2秒ブレてる。だからルミナスの追尾電撃をかわせないんだ。


あと、体内の魔力運用の効率が悪い。

もっとスムーズに剣に流せ」


訓練場の壁に寄りかかりながら、アルスの容赦ない『鑑定』によるフィードバックが飛ぶ。


「くっ……もう一回、もう一回お願いします、ルミナスさん!」


大剣を構え直すカイルの全身から放たれる剣気は、

すでに王都の並み居る近衛騎士団長を遥かに

凌駕する領域に達していた。

カイルだけではない。彼のパーティーの仲間たち

もまた、化け物じみた成長を遂げていた。


魔術師の少女は、ルミナスの圧倒的な魔力操作と

大気中のマナの引き込み方を間近で観察し続ける

ことで、独自の「完全詠唱破棄」を体得。


戦士たちも、アルスのボックスから提供された

超希少金属と、ルミナスの紫電で鍛えられた専用武具を身に纏い、Sランクの魔物すら一蹴する「大陸最強の勇者パーティー」へと完成しつつあった。


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